Haru Haru - ２ -

93. side GD ページ49

意味がわからない。








本当に、意味がわからない。









目の前に横たわるAは、まるで眠っているかのように綺麗な顔をしているのに。






いくら呼びかけたって、その綺麗な瞳で、俺を捉えることはもう２度とない。





その愛しい声で、「ジヨン」と呼んでくれることは、もう２度とない。









待てよ……また１人にすんのかよ？




なあ、A。




まだ話したいことも…やりたいことも、たくさんあったのに。







やっと会えて……想いを確認出来たのに。






もう２度と…離れたりしないって、言っただろ？





なぁ……置いてくなよ、A。








この世に神様なんているのだろうか。






もしいるのなら……本気で呪ってしまうかもしれない。







昨日まであんなに元気だったAが、今は俺の前で静かに横たわっている。







あまりにも非現実的な現実に、頭が追いつかなかった。





しばらくAの側から離れることが出来ず、どんどん冷たくなっていくAの手を離すことも出来なかった。





不意にAの担当医が部屋に入って来て、






医師「この度は…ご愁傷様です」




看護師とともに軽く頭を下げた。






『どうしてAは…昨日まで元気だったのに…』




１番気になっているのはそこだった。



何故突然命を落とさなくてはいけなかったのか？

原因は何なのか？




俺が聞くと、医師は静かに口を開いた。





医師「明確な原因は解剖しないとわかりませんが、恐らく……手術した傷跡から細菌が入り込んで、感染症を引き起こしたのでしょう。脳に細菌が入って、脳の基幹が麻痺してしまったものと思われます」






感染症？麻痺？




『そんなことって…』




まるでドラマのような話に、言葉を失った。




医師「非常に稀なケースです。Aさんの場合は、術後しばらく眠り続けていましたから、体力も落ちていましたし、治癒力も低かったのでしょう…傷跡がまだ、塞ぎ切っていなかったのですね…」





そこまで言って苦しそうに言葉を詰まらせた。

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