83. side GD ページ39
俺のおかげで目を覚ませたって言うA。
それってどういうこと?
素直にそう聞くと、急に ぷっ と笑い出すから。
え?なになに?
俺なんか変なこと言った?
ますますわからず、頭の上にハテナマークがたくさん出た状態になった。
「ごめんごめん(笑) さっきのわたしと同じように首をかしげるから笑っちゃったよ。ジヨンのおかげって言うのはね…、わたし、眠ってる間に夢を見ていたの。真っ暗闇の中に1人でいる夢。誰も居ないし、何もなくて、本当に怖かった」
当時のことを思い出しているように、Aは前を見て続ける。
「でも、そんな時どこからかわたしの名前を呼ぶ声がしたの。誰の声か、その時は分からなかった。でも、すごく懐かしくて安心する声だなって思ったんだ。その声の主が知りたくて、その人に会いたいって思った瞬間に小さな光が見えて。もしかしたら出口かもって思って、たくさん走って、その光の中に入った瞬間、眩しくて目を閉じて…目を開けたら目の前にジヨンがいたの」
そう言いながら俺を見てニコッと笑う。
「最初はジヨンのことも全部忘れちゃってて、ジヨンのことを見ても何も分からなかった。でも1つだけ気付いたの。ジヨンの声を聴いた瞬間、暗闇の中で名前を呼んで出口に導いてくれたのは、ジヨンだったんだって」
そう言ってまた照れ臭そうに笑うから、危うくこっちまで恥ずかしくなるところだったけど。
確かに毎日、眠るAに話しかけていたし、
それがAに伝わっていたのかもと思うと…
『それめっちゃ嬉しいわ』
素直に嬉しい。
俺がAの役に立ったみたいで。
『俺も毎日ここに来て、眠ってるAに話しかけてたし、毎日名前呼んでた。それが伝わってたんだな』
「そうだったんだ…!すごいね、本当」
少し驚きながらも笑って、Aは続けた。
「ジヨン?本当に…ありがとう」
頰を赤く染めながらそう言って、俺のことを真っ直ぐ見つめるから
『ねぇ、そろそろ我慢の限界…』
理性が限界を迎えて、ゆっくりAの頰に触れてしまった。
203人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ÑoëL(プロフ) - 雪ノ宮深音さん» ハッ!外すの忘れてました(;;)ありがとうございます! (2017年12月9日 21時) (レス) id: 148b97988e (このIDを非表示/違反報告)
雪ノ宮深音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年12月9日 19時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ÑoëL | 作成日時:2017年12月9日 4時