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79. ページ35

暗いステージが映り、その後パッと明るくなって、そこには綺麗な衣装を着ている5人の姿。






静かに流れ出す、ピアノのイントロ。






− 波のように砕かれた 俺の心
風のように揺れる 俺の心 −





画面の中で歌うジヨンさんは、何より綺麗で、儚くて。





昨日見たジヨンさんの横顔と重なった。





− 君なしでは1日も 過ごしていけないと思っていた俺
想像とは裏腹に、それなりにやっていけてる −






……






何…この感じ。








− 君の横にいるそいつが、もしかして君を泣かしているんじゃないか、
俺の事はもう すっかり忘れたのか 気がかりで −









わたし、なんで……






− 振り返らずに行けよ
もう俺の事は 思い出さずに生きていって
君を愛していたよ 後悔はないから
幸せだった思い出だけ 持って行って −








『A…?』





なんで…なんで、なんで。







「ジヨン……」







初めて聴いた、この曲。




聞き覚えも、見覚えもないはずなのに。







どうして……こんなに泣けてきちゃうのかな?






どうして……思い出しちゃったのかな。







走馬灯のように今までの記憶が蘇ってきて、頭が追いつかなかった。




『…A?大丈夫?』





何故か泣いているわたしを、心配そうに覗き込むジヨン。






「ジヨン…この曲、とっても素敵だね」






涙をいっぱい溜めた目で笑うから、また涙が溢れて。






『A、もしかして…』





「ごめん。訳も話さず、勝手に居なくなったりして……」








そう、これが1番、言いたかった事なんだ。



今ジヨンがどう思っていても、あの日傷つけたのは事実で。

それをどうしても謝りたかった。





『A…っ!会いたかった…っ』





また急に抱きしめられて。

でも今度は戸惑いとかもなくて、ただ幸せだと思ったのは、今でもまだジヨンのことが好きだから。






「ごめんね。心配かけて…」



『本当だよ、バカ……このまま一生思い出さないかと思った…』





少し声が震えているジヨン。



『今の曲、まさかAと一緒に聴くことになるとは思わなかったな…』




わたしからそっと離れて、頭を撫でて言う。



「え?どういうこと?」



『最初に番組で言ってただろ?自分の経験を基に書いたって……』





そこまで言って急に言葉を詰まらせるから、何が何だかよく分からなかった。

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作品ジャンル:恋愛
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ÑoëL(プロフ) - 雪ノ宮深音さん» ハッ!外すの忘れてました(;;)ありがとうございます! (2017年12月9日 21時) (レス) id: 148b97988e (このIDを非表示/違反報告)
雪ノ宮深音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年12月9日 19時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ÑoëL | 作成日時:2017年12月9日 4時

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