68. side GD ページ24
『そんなの…嫌です。いつか、いつか目を覚ますかもしれないのに』
声が震えているし、うまく話せなかったし、多分すごい疲弊した顔してるんだろうなと思ったけど、そんなの今はどうでも良かった。
医者「お気持ちはお察しします。が、本人の希望が最優先でして…」
『そんな…っ』
医者「まだあと数日あります。この数日間で…目を覚ましてくれるといいのですが」
そう言って、医者は部屋から出て行った。
なあ…A。
君はどこまでも、優しい人なんだね?
俺の為を思って、あんな嘘をついて…
1人でずっと、頑張っていたんだね。
そんなに頑張れる力があるならさ、
もう少しだけ…頑張ってよ。
Aのこと、待ってる人がきっとたくさんいるよ?
メンバーだって…きっとこの事話したら会いに来てくれるし。
『頼むから…目覚ませよ…Aっ……』
また瞳から涙が溢れそうになるのを堪えて、Aの手をぎゅっと強く握った。
相変わらず、Aは静かに眠っている。
微かに聞こえる呼吸音だけが、ここにAがいるのだと…生きているのだという安心感をくれて。
以前までは、それだけで充分だと…そう思えていたのに。
人間って、欲張りだな。
今は、目を覚まして俺の名前を呼んでほしいと、そう思ってる。
俺の願いは…必ず届くと信じて。
Aを信じて。
残り少ない時間を、過ごすことになった。
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ÑoëL(プロフ) - 雪ノ宮深音さん» ハッ!外すの忘れてました(;;)ありがとうございます! (2017年12月9日 21時) (レス) id: 148b97988e (このIDを非表示/違反報告)
雪ノ宮深音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年12月9日 19時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ÑoëL | 作成日時:2017年12月9日 4時