65. side GD ページ21
『っ、A!』
手術室の中から、ベッドに横たわったAが出てきた。
口には呼吸器が付いていて、痛ましい姿だった。
医者「しばらくは、術後の経過を見ることになると思いますので…」
そう言って、Aは病室に運ばれていった。
後ろをついていくと、部屋にはAのタオルや荷物が置かれていて、本当にここにAが居たんだと実感させられる。
ママ「あなた、Aちゃんのお友達と言っていたわね。わたしは、ここから少し離れたところに住んでいて、なかなかAちゃんの様子を見にくることができないの。あなたに…お願いできないかしら?」
横たわるAを見ながらそう言われ、
『はい、もちろんです。時間があるときに…必ず来ます』
そう言うと、安心したように笑い、その場を去って行った。
眠るAに近づいてみると、
スースーという、Aの呼吸音。
『A……久しぶり』
そう話しかけて、小さな手をそっと握った。
その手は、暖かくて、柔らかくて、懐かしくて…
気付いたら、瞳から大粒の涙が流れていた。
久しぶりに触れたAの温もり。
例え眠っていても、そこに温もりがあるのは確かで、目の前にいるのはAで。
面会時間の終わりが来るまで、俺はその場から動けなかったんだ。
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ÑoëL(プロフ) - 雪ノ宮深音さん» ハッ!外すの忘れてました(;;)ありがとうございます! (2017年12月9日 21時) (レス) id: 148b97988e (このIDを非表示/違反報告)
雪ノ宮深音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年12月9日 19時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ÑoëL | 作成日時:2017年12月9日 4時