56. ページ12
ソウルに行った日から、数日。
手術のことについて、ずっと考えていた。
このまま放っておけば、歩くことや話すことも出来なくなる。
そうなる前に、治る見込みがあるのなら、そっちに賭けた方がいいんじゃないか。
どうせこのまま放っておいたら、みんなのことも、自分のことも…忘れていってしまう。
一番怖いのは…大好きな人を忘れてしまう事。
そんなとき、頭の中に
《人間の脳というのは、普段使っているのは全体のたった3%なんです。残りの97%は、未開の地なんですよ。》
お医者様に言われた言葉が、パッと浮かんできて。
「97%を使う、か…わたしに、そんなことできるのかな。hh」
でも。
もう迷いはなかった。
再びソウルに向かい、
「手術のお話ですが……お願いしたいと思います」
お医者様にそう伝えた。
「わかりました。では早速ですが、明日にでも入院してください。手術の日程は、決まり次第こちらから連絡します」
お医者様は、そう言ってわたしのカルテに何かを書いていた。
「はい、わかりました。よろしくお願いします」
入院かぁ…また、ママやオーナーに迷惑かけちゃうな。
手術が終わって、治ったら、たくさんまたお仕事手伝おう。
帰り道、電車の窓から懐かしい街並みを眺めながら、そんなことを考えていた。
203人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ÑoëL(プロフ) - 雪ノ宮深音さん» ハッ!外すの忘れてました(;;)ありがとうございます! (2017年12月9日 21時) (レス) id: 148b97988e (このIDを非表示/違反報告)
雪ノ宮深音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年12月9日 19時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ÑoëL | 作成日時:2017年12月9日 4時