恋のまじないは知っている。（探偵チームＫＺ事件ノート）

３　塾にて。 ページ4

「僕が塾前に来たら怒声が聞こえてびっくりしちゃってさ」

そう言って、小塚は軽くため息をつく。



性格が間反対、しかし気の強いところは似ている２人。

いつも通り、それをなだめたのは小塚であった。


「まぁ・・それでこそ、若武と上杉くん・・て感じかな」

「な、アーヤ、それどういうことだよ！」

「そのまんまの意味」


なんて言うと、柔らかい笑いが生まれた。


塾の中の特別クラス。

人数は少ないが、絆は深いメンバー。



「それにしても・・、久しぶりだな、このメンバー」

黒木はそう言って、こちらを見渡してきた。


「上杉と小塚は、夏休みにも会ったけど」


そう言って、年齢問わず女性をおとしそうな笑みを落とす。

本人にとっては軽く笑ったつもりなのだろうが、仕草の１つ１つが際どい。

これが美形になり過ぎた者のスキルなのであろう。



「やべ、俺１ヶ月入院のせいで何も変わってねー」


「入院してなくても、若武はずっと１ヶ月経っても変わってないよ」

「変われる可能性は低いと思うよ、僕」

「おまえが変わるんなら、もう少し静かな奴になって欲しい」

「若武はそのままでいいよ」


「何だろーおまえら冷てー」

若武は、そう言って頬を膨らます。

そんなくだらない会話。でも、ＫＺにとってその時間は幸せでもあった。



「１ヶ月あったらな！事件なんて数件くらい解けるんだぞ！」

１ヶ月なめるな！といわんばかりのなぞのドヤ顔。


「そーかなー？」

「そうだ」


なんて若武が胸を張るものだから、思わずメンバーも噴出す。




塾の中での、そんな日常。

大切で、かけがえのないもの。

４　アーヤを巡ってのライバル？もういらないんだが。→←２　これは寄り道だから。

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