妖万華鏡空虚咎送り弍【完結】 (ページ14)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:2,405 hit

＊特別編＊ページ14

英｢よぉ、やってるか?｣

『英殿! 今日は刀衆殿もよくきますね。
任務等々は全て終わってるんですか?』

英｢完全に終わったわけではないが、
今まで万華鏡や玉藻前の事件に追われていて、
それが全て終わった今、少し余裕ができたんだ。
暇な時…がいつ来るかはわからないが、
その時は顔を出させてもらうとしよう｣

人間の世界のことや、わたしたちが住む幻界のことなど、
今まで知らなかったことやそれぞれの地域の昔話など、
普通の日常と変わらない話に花を咲かせていたわたしたち。
すると、英殿が何かを思い出したかのようにあと声を上げる。

英｢そういえば、文内親王様があまねとあんずを呼んでいた。
二人と、何か話したいとおっしゃられてたな…｣

『え゛』

わ、わたし何か、人間界で変なことしたっけ……………
まさか、鬼火様と鎌鼬様が、また悪戯を……………!?
わたしの監督不行届で注意とか警告とかを出しに…!?

ビクビクしながら姉様と刀衆の邸に行くと、
金髪の、薄桃色の着物を着た美しい女性がいた。
可愛らしい見た目で、目をキリリとさせていて、
見るだけでその人の威厳などが読み取れる。

?｢ありがとうございます、英。下がりなさい｣

英｢失礼します｣

扉が閉まる音の後、女性がわたしをみた。
その後にふわりと笑い、書物を閉じてわたしたちを見る。

?｢名を名乗っていませんでしたね。わたしは文(あや)。
刀衆取締や全体指揮をおこなっている者です。
幻界から遥々ここまでありがとうございます｣

あまね｢いえ! 姉のあまねと、妹のあんずです。
あの、何故故わたしたちをここに、あなた様の元に?｣

文｢そんなに大ごとの話ではありませんよ。
わたしの家系は、昔に遡ると晴明様と血が繋がるのです。
しかし、晴明様は玉藻前との戦いの末死亡。
多くの妖や人間たちが命を落としました。
何とか封印できましたが、晴明の妻の葛葉は、
玉藻前の封印の代償となり命を落としました｣