【IDOLiSH7】I don't cry. (ページ31)

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変わる代償として、続けられるように私は手首に傷をつけた。

そうしないと私は私を保てなかったくらい弱かったから。

｢わ、たし…は…｣

｢昔のままでいいんです、無理に変わらなくて大丈夫なんですよ
人は人それぞれなんですから。｣

｢だからもう、無理だって…
だって私…｣

｢どんなAだって、受け入れる。
誰がなんと言おうが俺の大事な幼馴染のことなんか言うやつは許さねえよ。｣

｢…だって！だってもう戻れないんだよ？！｣

閉じ込めてきたはずの言葉が出てくるようだった。

弱い私は消えたようで消えてなくて、ずっと顔を覗かせていた。
それが嫌いで嫌いで仕方がなかった。

今もそう、せっかく求めらるために作った私が求められないのは…

弱い私が求められるのは。

｢跡なんて消えないし痣だってずっと、っ…ずっと増えるの！
隠しても、隠し切れなくてっ…

いくらいい点数を取っても一番じゃないと褒めてくれない、一番じゃなきゃ認められない！！

お母さんだって私の事好きじゃないからすぐ怒るし、すぐ殴るんだもん！！

だから、変わって…変わろうとしたのに…｣

私自身が変わればまわりも変わるかと思ってた。変わることを願っていた。

だけどそんなのただの幻でしかなかった。

変わって欲しかった、私が変わりきれてなかった。

元はただ静かで教室でも家でもずっと本を読んでるような子で、なのに高校に入るなり頑張って明るい子になってみた。

そんなの、無意味だった。
下を向いて手をギュッと強く握る。

｢昔のままって、わかんない…
私って…？
変わったら、みんなも私の事見てくれて、認めて…｣

｢…A｣

｢だって、私…支えようって…泣かないでずっと笑顔で頑張り続けようって…｣

｢…Aさん｣

私の救いはいっちゃんとみっちゃんの2人だけだった。

だから、どうせなら2人のためになろうと思って2人と一緒にいて恥ずかしくないっていう人になりたかった。

2人が落ち込んで、泣きたい時は私を頼って必要として欲しかった。

｢私は平気だよ…うん、大丈夫なの。
いつ死んでもいいけど変なところで、後悔はしたくないんだ…可笑しいよね…あ、はは…｣

私は今、笑えているだろうか。
2人の前ではいつだって大丈夫な私でいたいのに。

こんなに、ブレちゃうなんて。