【IDOLiSH7】I don't cry. (ページ30)

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｢はーなーせぇーっ！！｣

｢…ここなら大丈夫ですかね｣

｢お説教なら聞きたくないよ…！｣

そういって耳を手で塞いで目を強く瞑った。

廊下の方へ引っ張られ誰もいないことを確認するといっちゃんは1度息を吐いてから私の肩を強く掴んだ。

想像していなかった行動に私はつい目を見開いてしまうと、そこにはいっちゃんの綺麗な顔がドアップで映っていた。

｢話してください｣

｢えっ…｣

｢私に隠していること、全部伝えてください、じゃないと私は何もできません｣

｢ま、待って！いきなりどうしたの？｣

｢…ずっとおかしいと思っていました。一人で抱え込まないでください。
私がいますから、兄さんもいますからお願いです…！｣

肩に置かれた手に力が入ったのが分かる。
手が、震えてる。

…どうして

｢…どう、して…？
私はただ、えっとね…｣

｢私は、知ってしまったんです…
いや、知らなきゃいけなかったんですっ！
あなたの家庭のことや学校でのこと、左手が冷たい理由…｣

｢っ…｣

言葉が詰まる。
なにかいい言い訳がないか探すけど頭が混乱してどうしても出て来なくて。

いつもならパッと笑って笑顔で誤魔化せるけどいっちゃんの表情を見たら誤魔化せなくて。

｢いっちゃんは、みっちゃんは…何も知らなくて…いいんだよ。
知らなくても別に、今まで通り…｣

｢俺はお前の事知ってるぜ？

その長い髪は昔髪の毛が綺麗だって一織と俺に言われて伸ばした、それで泣く時は一織を慰めながら泣くんだ。

最後に泣いたのは小学生の時ってところか？

気づいたらあまり話さなくなった、そう思ったら人格が変わったように明るくなった。
最初は高校デビューかと思ってたけど、そんなこと無かったんだよな。

…気づいてたのに気づいてやれなかった、ごめんな。｣

どうして私に優しくするの？

私の事なんて、だれも見てないんだって言ってた。

私の事なんて、だれも必要にしないって。

だから認めてもらおうと、存在してるよって言いたかった…

だから変わろうと必死だったのに結局変われたのは学校以外の場所で。

変わるというよりはただヘラヘラと表面上だけなんとかしたっていう、ただそれだけ。

変わった代償は大きくて