いちわ ページ1
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『こまった』
ホントつまんない塾が終わっても家に帰らず
お空が真っ暗になるまで公園で遊んでいたら、何やら変なおにーさん達に囲まれていた。
「おいガキ、ここはウチのシマの範囲内だ
さっさと家に帰れ」
『……ぜっさん家出中なのでむずかしいです』
少なくともざっと5,6はいそうな全身まっくろ集団は、寄って集って僕を追い出したいみたい。
たしかに自分以外の子供はだれ1人といなくて
夕方を知らせる愛の鐘は、とっくの前に鳴り響いて終わっていたのをふと思い出す。
地面にガリガリかいてた5本線を止め、ここで一旦帰るべきかと悩んでみるも
やっぱりあの家に帰りたくはないな。
自分の意志の固さを実感したところで、結局はなにも変わらないけど。
「チッ、黙ってんじゃねえよ」
「スカしたつもりだろが、こちとらテメェを殺すくらい簡単なんだわ」
「大好きなママのいるお家に帰ってお勉強でもしてな」
うわぁー…うん、思ったよりも血気盛んな不良だ。
後半は聞かなかったことにするから、と考えてみてもむなしくなるだけ。
当たり前だけど、お話しも通じなさそうだしヤバンなこの人たちとはイシソツーすらできなさそう
なんて考えながら、すこし強めに掴まれた肩ごと体を揺さぶられ
お昼に食べた給食のきなこ揚げパンやもろもろを吐き出しそうになっていると、変な叫び声を上げた奴に急に手を離された。
いっきに体が地面におちて、死ぬほどめっちゃ痛い。
それからしばらくの間、砂埃がまってげほげほ咳き込む。
かんじんのあの人たちはみょーな汗かいて、自分が先にとでも言わんばかりにスタコラサッサと逃げてった。
「ガキンチョー、生きてっか?」
「兄ちゃん顔見られただけでビビられるって、よっぽどじゃんね」
『なにごと、なんですか…これ』
語尾を半音上げなかったのは、はじめから答えなんて求めてなかったから。
差し伸べられてた手を無視して自力で立ち上がり、パッパって服についた砂を払ってたらにらまれた。
助けてもらった?ハズなのに、なんかこわい
やっといろいろおさまって、声がする方へとまともに顔を上げてみたらどこかで見知った顔ぶれ。
なんと言うか、毎朝帰ってくる現場をみてるカモ
「「あー、お前となりのクソガキ」」
あっちもどーやら見覚えがあるようで、こっちを指さして納得してた。
人に指さしちゃいけないのに、大人に教えてもらえなかったのかな。
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寝ん子(プロフ) - るぁさん» ありがとうございます!前半の文に同意しかない…。ぜひとも頑張らさしていただきます! (2022年10月27日 21時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
るぁ - ショタはやっぱり最高ですね!更新頑張って下さい (2022年10月27日 20時) (レス) @page17 id: b6e4bb87a9 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 限界ヲタてゃさん» ありがとうございます!もはや常連さん?までいらっしゃって感謝でしかない…これからも応援し続けてもらえるように更新頑張ってきますね! (2022年10月25日 17時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - てえてえさん» ありがとうございます!そういっていただけてマジうれしいし感無量です。続きを1秒でも早く読めるよう精進してきます! (2022年10月25日 17時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
限界ヲタてゃ - はぁ...今回の話も天才的、、毎回神作でハズレなくてホント最高です!応援してます(語彙力)。 (2022年10月25日 17時) (レス) @page12 id: 377b045cc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寝ん子 | 作成日時:2022年10月20日 20時