32冊目 ページ34
.
「明けましておめでとうございます」、なんて呑気に新年の挨拶を互いに交わす暇さえも与えられず
遠慮なんか知らないし要らないとでも言う様に、自室へと勝手にズカズカと入って来るのは灰谷の兄の方こと蘭。
顔にかかった朧気な影が確信へと変わった瞬間である。
…この人、音を殺して動くのが癖なタイプ?
存じ上げておられない方は是非ともggることを推奨致します、…って知ってる人も多いか。
「ねぇリスちゃん、なんでさっきから無視してんの?
お前そんな対応できる立場じゃなくね?
高括ってんじゃねえよ、返事しろ…へーんーじ!」
妙な作品紹介も並行しつつ、幾度か部屋の隅っこで身動ぎを繰り返し
「ふぇえ…」と狼狽えていると再度声を掛けられる。
疑問符ばかりの文面は少々苛立ちも籠もっているらしい
このまま放っておくと、Fワードばかりの酷く口汚い会話にもなってしまいそうだ。
どうやら今回はどうも簡単にはいかなそう、なんて脳死状態で考えてみるもののやっぱしヤバい気配しかしない。
そりゃあそう、だって相手は反社だもの。
キャンキャンと煩く吠え立てて、馬鹿の一つ覚えみたいに反抗出来ていたのは彼も僕も初見プレイだったから
唯それぐらいで簡単に説明はつく。
前が可笑しかっただけでホントはこれが正常、なんてったって僕は囚われの身…寧ろ今までが厚待遇過ぎたんだわ。
『すんません、ちょっと考え込んじゃって』
「…ふーん、ならいーわ
今度からはちゃあんとお返事出来るってことなら許してあげる、どう?嬉しい?」
『えぇえぇ、誓いますとも…トーゼン嬉しいッス』
何故か幼児に向けるような眼差しと口調なのは一時的にほっといて、彼が若干DV彼ピ気質なのは理解した。
遂に本性出してきたキャピキャピしてるそこのヒス気味ギャルに下手を打たない様、僕にしては珍しい
常時営業スマイル状態で蘭さんと腕を組む。
仕方ない、これも安寧の為だと自身に言い聞かせながらも部屋のドアノブへと手をかけた。
変に荒らされちゃこっちも困るからね、…自己防衛。
付け加えて元推しに汚部屋見られるのはちょっと抵抗がある、体験してみたくないシチュエーション。
『そーいえば、なんで蘭さんはここに残ってるんですか?
確か今日は新年の挨拶回り、って…』
「あー、去年問題起こして今年も謹慎」
ファッ!?
話題逸らしがてら歩こうと思ってたんだけど、もしや
154人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わいt - いつになったら更新してくれるんですか!楽しみすぎて死ぬって!! (7月27日 22時) (レス) @page35 id: 258f12dfbe (このIDを非表示/違反報告)
乾燥(プロフ) - くっ...好みすぎて...ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ無理しない程度に毎秒更新待ってますぬ... (2023年1月1日 18時) (レス) @page35 id: c00320f8c9 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 莉夢#梵天の信者さん» ありがとうございます!あわわ、神がおるww貴方様の作品も本当に大好きです。 (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 雪の兎さん» ありがとうございます!これからも更新頑張ります(*^^*) (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
莉夢#梵天の信者(プロフ) - あぁ、、、好きです、、、(*‘ω‘ *)最高。 (2022年9月24日 16時) (レス) @page19 id: 9e38cf74ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:寝ん子 | 作成日時:2022年9月14日 7時