22冊目 ページ23
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一般社会では謙虚は美徳だと言うけれど、そんな常識なくなって欲しいと願う程に追い込まれた今この状況。
一応抜け出そうと試みたものの、暴れても暴れても意味なんか無いことはちゃんと分かっている。
けども、諦めるよりか抵抗を続けた方がマシだ…多分。
完全に血が上って眩暈を覚える程パッパラパーな頭で不明瞭な情景描写を垂れ流し、口元に頼りない両手を引き寄せては催す吐き気を必死に抑えた。
あ、ヤバい……吐きそうorz
『拝啓いたづらに顔の良き父と母、すくよかなりや?』
「古文で空想の手紙を書き始めるな、
無駄にちゃんと出来ててウケる」
少し風流な雰囲気に浸ったところで足を思いっ切り振り下ろし、蘭さんの背中から自分の体を突き放した後
彼らの方を1寸たりとも向かず、
だが、回しても回しても開く様子の見えない扉。
彼らにとって勝手知ったるそのドアは、素早く鍵をかけるくらい容易い筈であろう
大方、僕がジタバタと無闇矢鱈に慌ただしく抵抗していた間に閉められたと思われるが…
それにしたって手際が良いな、やっぱ流石は反社。
気になるのは山々、だけど妙な感心は後に回したい。
最早悟りを開いてスペキャ顔で半ば躍起になりつつも、脱出を夢見ていると背後でゆらりと忍び寄る2つの影が。
片方は色んな意味で前科持ちだが問題はもう1人
つまり兄の方、行動が予測出来ない彼は僕にとって更に恐怖度が増した。
『ふぇえ…お外出して欲しいの、お願いクソ兄弟』
「情緒ヤバ、そのオンオフやってて人格破綻しない??」
「そんなに出たいのかよ〜、アホ可愛いねリスちゃん
竜胆…開けてあげよーね」
おじねらーお得意の幼女口調で無鉄砲に頼み込み、その後案外あっさり開けられた扉を背に
少なからず有り得る陰謀論を持ち出しては彼らの顔を見詰める。
てか「提案」でも「お願い」でもなく、兄が命令で人を動かすとこマジ解釈一致…まぁご本人様ですけども。
改めて3次元の尊き存在と素体の美しさに、おいヤミ感謝感謝しつつもニッコニコでドアノブに手をかけると
急に後ろへと引き摺り出される体。
おい、灰谷お前
『裏 切 っ た な』
「気が変わったの♡」
「…兄貴、趣味わっる」
背後で弟が引いているのにも我関せず
そんな蘭さんに押し倒されている頃には、僕の意識がとっくにログアウトしておりました。
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わいt - いつになったら更新してくれるんですか!楽しみすぎて死ぬって!! (7月27日 22時) (レス) @page35 id: 258f12dfbe (このIDを非表示/違反報告)
乾燥(プロフ) - くっ...好みすぎて...ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ無理しない程度に毎秒更新待ってますぬ... (2023年1月1日 18時) (レス) @page35 id: c00320f8c9 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 莉夢#梵天の信者さん» ありがとうございます!あわわ、神がおるww貴方様の作品も本当に大好きです。 (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 雪の兎さん» ありがとうございます!これからも更新頑張ります(*^^*) (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
莉夢#梵天の信者(プロフ) - あぁ、、、好きです、、、(*‘ω‘ *)最高。 (2022年9月24日 16時) (レス) @page19 id: 9e38cf74ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寝ん子 | 作成日時:2022年9月14日 7時