13冊目 ページ14
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養生テープを段ボール箱の開け口に沿って巻き付け、一つの積み荷が完成し終わったらまた同様に次の作業へと移る。
赤子の頃から既に腐男子脳に染まっていた為、小学校後半から買い揃えていた図書館ばりの数百冊のBL本が仇となるとは…此処に住む前の俺は思ってもみなかっただろうな。
書店で貰った紙製のブックカバーを一纏めに詰め、買い溜めしておいたクリアブックカバーを本に着用させていく内に精神崩壊を引き起こしたのか竜胆さんが床に寝そべって講釈を垂れ始めた。
「何で一々ダン箱に詰めなきゃいけないんだよ、こんな作業までして
元々カバーかかってんだからいーじゃん
電子媒体にしとけよ、楽だし汚れないし丁重に扱う必要もないだろ」
『…言わせて貰うけど電子にはカバー下の4コマ漫画やこぼれ話、表紙のボツ案すらないし
何だったら各書店限定の購入特典、色紙または小冊子さえも無い
僕は表紙のカバーイラストも作品の一つだと思っているから、ぶっちゃけ無理な話っすわ』
「いや、ガチで草した…」
厚意に甘えて手伝って貰っているのは僕だが今更意味も無しに電子へと乗り換えないのは勿論の事、ここまで来て諦める気は全くと言って良い程ない。
もう直ぐ終わるんでと彼をあやしつつ成る可く早めに終わる様にと素早く手を動かすも、やっぱり人間欲に逆らえるくらい強くない訳で。
『うっわ懐かし、胸糞社会の歳の差モノだ〜』
「微妙に闇深そうなのヤメロ、
そうやってずっと思い出に浸られてたらオレ達帰れなくなるんだワ」
突如として心惹かれ僕が手に取った本に対し、狼狽えるどころかちょっとだけ許容して透かさずツッコミを入れた彼に感心しながらも
口を引き結んで着々と準備を進め、大凡の書籍が入ったと見られる段ボール箱を玄関まで持って行って彼の部下に渡す。
後のPC等の機械類やゲーム機、使い古したスケッチブックとかは部下さん達に任せるとして
問題は、
「おい、何だァ…その大量のぬいぐるみは
あと無駄にデケェ箱」
揃いに揃ったオキニの数々、即ち絶対に邪魔になるけど手放せない物
高校の女友達に布教されて奥底深く沼ったジャンル、ハッキリ言って今更裏切れないのが本心だった。
『ウチの、
何年もかけて集めた限定品と何度にも亘って改良を施した衣装、
専用垢でしか投稿をしてこなかった子を晒すのに恥じらいを覚えてしまった僕が1番穴掘って埋まりたい。
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わいt - いつになったら更新してくれるんですか!楽しみすぎて死ぬって!! (7月27日 22時) (レス) @page35 id: 258f12dfbe (このIDを非表示/違反報告)
乾燥(プロフ) - くっ...好みすぎて...ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ無理しない程度に毎秒更新待ってますぬ... (2023年1月1日 18時) (レス) @page35 id: c00320f8c9 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 莉夢#梵天の信者さん» ありがとうございます!あわわ、神がおるww貴方様の作品も本当に大好きです。 (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 雪の兎さん» ありがとうございます!これからも更新頑張ります(*^^*) (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
莉夢#梵天の信者(プロフ) - あぁ、、、好きです、、、(*‘ω‘ *)最高。 (2022年9月24日 16時) (レス) @page19 id: 9e38cf74ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寝ん子 | 作成日時:2022年9月14日 7時