26冊目 ページ27
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『終わりました〜?』
「あともう少し、てか何しに来た」
煩い銃声も、やけに騒がしい悲鳴もなくなって安心している内に次々と咎人を蹴散らす彼
夜と区別がつかなくなる程、誰かの血で真っ黒に染まったマイキー君が怒り心頭と言った様子の白目で此方へと視線を向ける。
差し当っては自分が
新しい玩具を手に入れた彼らはどちらかというと、僕の慌てふためく姿を面白がって楽しんでいる真っ最中
そんな気がしてならないのは見当違いだろうか。
一方指先さえ動かせなくなった上に、赤い体液でしとどに濡らした地面に横たわる死体は無惨にも
最後に1発、死体蹴りとでも言うべきか脳天に銃弾をぶち込まれた。
大晦日に大変似つかわしいその光景は、仕事納めの新しい形式とでも受け取っておくのが得策なのかもしれない。
『ご飯できたんで、マイキー君にも伝えに』
「アンタのことだから絶対それだけじゃねぇだろ
要件…要望はなんだ、釣り合ったモンじゃねぇと俺は応えない」
『じゃあ、その話は帰りがてらにでも』
僅かに強ばる身を寄せていた屋上の安全用鉄格子から離れ、軽い足取りで彼と死体に近付いては徐に携帯を取り出し
速やかに遺影(仮)を撮った後に、
これ誰でしたっけ、という文言も添えて。
無論、撮影したデータは直ぐに削除
返信がくるまではのんびり待つ予定でその場に屈み込み
サンリオピューロランド産の白い悪魔が中央にて微笑むネイルチップの先端で、死体特有の臭いが漂う瞼をこじ開けた。
割かし長めのネイルは鋭利な刃物に近いのか、たった数秒だけ目縁の皮膚が痛々しげに凹む
どうせ死後硬直で瞼が開く可能性は捨て切れないし、と開き直った挙句。
何かないのか物色、言わば彼の身辺の物を漁っていると
『マイキー君!
コイツ背中にジャンプ入れてましたよ、…捨て身覚悟ですかね?』
「ンなの知らね、それよりか驚いたり泣いたりしないのかアンタ
最低でも近付いたりはしないだろ…フツー」
ふと気に留った新連載の文字、綺麗な表紙絵を横断していく複数のキャッチコピーはいかにも少年漫画らしい。
今月号と明記されたそれをパラパラと捲っていると、冷たく彼の視線が手元やら顔やらにチクチクと突き刺さる。
ごめんて、君らはマガジンだもんね
…ちな文句はこの人に言っといてください
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わいt - いつになったら更新してくれるんですか!楽しみすぎて死ぬって!! (7月27日 22時) (レス) @page35 id: 258f12dfbe (このIDを非表示/違反報告)
乾燥(プロフ) - くっ...好みすぎて...ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ無理しない程度に毎秒更新待ってますぬ... (2023年1月1日 18時) (レス) @page35 id: c00320f8c9 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 莉夢#梵天の信者さん» ありがとうございます!あわわ、神がおるww貴方様の作品も本当に大好きです。 (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 雪の兎さん» ありがとうございます!これからも更新頑張ります(*^^*) (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
莉夢#梵天の信者(プロフ) - あぁ、、、好きです、、、(*‘ω‘ *)最高。 (2022年9月24日 16時) (レス) @page19 id: 9e38cf74ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寝ん子 | 作成日時:2022年9月14日 7時