24冊目 ページ25
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慌ただしくズボンのチャックを閉め、間抜けにも寝癖のついた前髪と崩れた服装を整える。
『りんどーさーん、ヘーイ鍵…パス
うぉっと……、っぶないなぁ』
「…後で兄ちゃん説得するの、手伝えよ?」
その間震える竜胆さんに対し、にじり寄りながらも睨みを利かせると
同時に部屋の鍵を所望しては次いでに毒を添えた嘘を吹き込んだ。
後半は憎たらしい社交辞令も交えて。
遂には漸く解放された僕唯一の取り柄、使い込み慣れ親しんだ両手で灰谷達の親指に結束バンドを填めていく。
ったく…こちとら今年で48の爺だぞ、ほぼ実感沸かんけど受け側に回されるのだけは御免だね!
本当にミイラ取りがミイラになったな
なんて苦笑しつつ、彼らの傲慢に取って代わった自身でさえもそれに含まれていると知って静かに
当然…灰谷共の目論見は悉く失脚し、失敗に近い形にて終わったのだが…それでも尚許せないのがAクオリティ。
事が終局にへと差し掛かったところで、彼ら灰谷兄弟のなけなしの矜持を踏み躙る折
無駄な抵抗も出来ずに倒錯的なあられもない姿で項垂れる彼、蘭さんの頬を遊び半分で軽く引っ叩き
仕舞いにや、反対側の人差し指であっかんべーと煽り散らかす始末。
「ちぇー、今回は諦めるか…でも今度はちゃんと相手してくれるよなァ、リスちゃん?」
『僕の名前を呼べるようになったら幾らでも
まぁ、一応限度がありますケド』
無論去り際には執拗に呼び止められては彼此、数分その場に縫い付けられたが
起き抜け数秒で始まった茶番劇のお蔭か、脳も冴えてきた僕は痺れを切らし
数枚、隠し撮りした蘭竜&竜蘭の画面を見せびらかせながらドアに手を掛け二重の部屋を出た。
悲鳴と言うか断末魔と言うか、何か色々上がってたけど結果オーライ。
蘭さんにも再三注意したけど僕は齧歯類でもないし
ましてや
付け加えて今はノーメイク状態、意地悪のつもりが殆ど仕返しで見せた写真が存外功を奏したみたいだ。
『ほんっとビビった…ラスボス部屋前の中ボスって、ゲームかよ』
流血沙汰にならなかったのは最早、奇跡と言っていいと思う。
一抹の不安は疾うに過ぎ去っており、今度こそマイキー君の所へと覚束無い足取りで体を進ませた。
セーブもルーラも出来ない
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わいt - いつになったら更新してくれるんですか!楽しみすぎて死ぬって!! (7月27日 22時) (レス) @page35 id: 258f12dfbe (このIDを非表示/違反報告)
乾燥(プロフ) - くっ...好みすぎて...ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ無理しない程度に毎秒更新待ってますぬ... (2023年1月1日 18時) (レス) @page35 id: c00320f8c9 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 莉夢#梵天の信者さん» ありがとうございます!あわわ、神がおるww貴方様の作品も本当に大好きです。 (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
寝ん子(プロフ) - 雪の兎さん» ありがとうございます!これからも更新頑張ります(*^^*) (2022年10月19日 8時) (レス) id: 9e9a5a7301 (このIDを非表示/違反報告)
莉夢#梵天の信者(プロフ) - あぁ、、、好きです、、、(*‘ω‘ *)最高。 (2022年9月24日 16時) (レス) @page19 id: 9e38cf74ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寝ん子 | 作成日時:2022年9月14日 7時