顔"は"好きです。【凪誠士郎】

+ 凪と遊園地 2 ページ10

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その後無事に凪の支度が終わり、私達は並んで遊園地へと向かう。

凪も私も特に何も話さないが、この雰囲気は嫌いではない。

むしろ好きである。


そして、普通に入場ゲートをくぐり、園の中へ。

中に入った途端に音量が大きすぎる音楽が聞こえ、"あぁ、遊園地だな"と思ってしまう。

隣の凪はうるさいものが嫌いなのか、なにやら不機嫌そうな顔をしているが、私は誘われた側なので好きにさせてもらう。勿論凪も連れてだが。


『とりま、なんか買お!!』


大声で言わないと曲が大きすぎるのと人の声で全然両方の声が聞こえないので、私は結構の声で言う。

凪はめんどくさそうにしながらも、「いえす、ぼす……」と、私についてきた。


どうしようかなぁ……カチューシャ?? 被り物?? まずはポップコーン?? チュロス??

頭の中に沢山の候補が浮かぶ。

……ぜーんぶ買っちゃお!!

私は今、この遊園地を全力で楽しもうと決めた。


・・


『チュロスのプレーンとチョコ一つずつください!!』


凪は近くのベンチに置いてきて、チュロスを買う。

……あいつ、中々自分で動こうとしないからな……。ここまで引っ張ってきた私を褒めてほしい。


少し待っていると、出来立てほやほや、あつあつの美味しそうなチュロスがやってきた。

うっわ、チュロスなんて何年ぶり……?? すっごい美味しそうなんだけど。


いそいそと凪の元へと戻る。

……するとそこには、5〜6人くらいの女の人達に囲まれている凪が見えた。

凪はめんどくさそうな顔をしつつ、スマホゲームをして華麗なスルーをかましている。

なんかいつも通りだな。ナンパされ慣れてるのか??


『はーいごめんなさいお姉様方〜コイツは私の連れなのでお引き取りくださぁい』


嫌味たっぷりの笑顔と嫌味たっぷりの言い方で言ってやる。

コイツは辞めといたほうが良いぞ。人生棒に振るから。


「あ、あはは〜連れの子いたのね〜!! ごめんなさいー!!」


女の人達はそそくさとどこかに行ってしまった。

凪はやっと私に気付いたようで。


「あ、A。遅いよ」

『自分で対処しなさいよあのくらい』

「んー……なんかめんどくさくて」

『はいはいそーですか。アンタがいつも通りでよかったわ全く』


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