顔"は"好きです。【凪誠士郎】

+ 凪と体育祭 ページ5

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ついこの間まで入学したてだった気がするのは気のせいだろうか。

もう入学してから一か月あまりが経っているにも関わらず、まだ入学時の気分のままな自分にうんざりしてしまう。


『はぁ……』


今は朝のHR中。

先生が学校の一大イベント、"体育祭"について熱く語っているところだ。

……まぁ、私と凪はノリ気じゃないわけなんだけど。


「……だる」

『それな』


凪が伏せていた体を少しだけ起こし、私しか聞こえないくらいの声量で呟く。

先生の話をスルーしていた凪でさえも起こすほど、先生の語りは長くウザったらしかった。

アンタ高校生に何求めてんのよ。小中学生に求めなさい、そう言う熱いモノは。


しばらく経って、授業開始直前まで話していた先生の話がようやく終わり、授業の準備をし始める。

ザワザワとし始めた教室内は、私たちのようにだるいなんて思っている生徒は一人もいないようで、学校特融の"協力!!"という空気感に少しイラっとしてしまう。

……なんか考え方、凪に似てきたかも。


『体育祭ばっくれようかな』

「俺もそれ考えたんだけど。それはそれでめんどくさそうだよね」

『あー……確かに? 学校ってめんど』

「それなー」


ヤバいな。たった1か月一緒に居るだけでこんなに思考って似るもんなんだね。

まだ私の方が症状は軽いって思いたいよ。


そこで考えるのをやめた私は、頭を授業モードに切り替えた。


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