大嫌い４７ ページ4
・
目が覚めると、戦闘は終わっていて、うちはベッドに横たわっていた。
右におめでたい赤白色の頭が見え、少し安心する。
うちが焦凍に握られていた右手をちょいちょい、と動かすと、焦凍が起き上がり、私の方を見た。
「ばっ、おま、おきっ！！」
『いや、動揺しすぎでしょ。とりあえず落ち着きな？』
うちは焦凍の紅白頭をポンポン、と撫でると、焦凍は静かになる。
顔が真っ赤になっていて面白かった。
『あ、あと聞きたいことあるんだけどさ、うちってどんくらい寝てたの？』
「3日。あ、五条さんに連絡した方がいいか？」
『いや、何で悟?? そしてなんで連絡先もってんだよ……にしても、3日かぁ、結構寝てたね、うち』
「なんか、Aに何かあったら連絡して、って無理やり交換させられた」
『あー……うちが変わりに謝っておく。マジごめん』
「気にしてないし、連絡するつもりも今のところないから大丈夫だ。
3日って、結構だぞ、俺には。三日も青白い顔したAが寝てるの見てて、このまま死んじまうんじゃないかって怖かった。心配した」
急に真剣な顔をして話し始めるから、思わず体を固くしてしまった。
心配、してくれてたんだね……。
『うん……心配かけてごめんね』
そこに、丁度看護師さんが来る。
「えっ!? Aさん起きてるじゃない!! ナースコールしなさいあなた達!!!」
『「すみません…」』
その後、お医者さんが来て、個性の使い過ぎが原因だったこと、まだ体が安定していないので、今日から2日は絶対安静の入院だとか、いろんなことを聞いた。
焦凍は私の付き添いとして一緒に聞いてくれた。
まぁ、転生特典みたいなものなのか知らないけど、なんかうちの親いないらしいんだよね。
女神が言ってた。
「ということです。別に動いてはいけない、という訳ではないので今から家にここで2日過ごすための荷物等を持ってきていただきます」
『わかりました』
「絶対に個性を使わないでください。戦わないでください。いいですね??」
『はい』
「……心配なので、彼氏さん、ついてってあげてください」
「わかりました」
そう言って、お医者さんは病室から出ていく。
てか、自然すぎて気付かなかったけど、お医者さんサラっと彼氏さんつったよな?????
焦凍を見ると、めっちゃ顔キラキラさせてこっち見てた。
……なんだよ、可愛いなおい。
そんなこんなでうちの家に向かうことになった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 68人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬猫。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Huyuneko1/
作成日時：2022年8月31日 14時
