大嫌い５６ ページ13
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うちが恥ずかしさと尊さで固まっていると、焦凍が呟いた。
「A、そろそろじゃねぇか??」
『え、マジ?? 行かないとじゃん』
うちがそう言うと、焦凍はうちのことをぎゅっと抱きしめて言った。
「……俺も見てるから、全力でやってこい。A」
『…………うん。頑張ってくるよ』
「こういう時は、こう言うんだろ??
絶対一番になってやる、って」
『どこで覚えてんのよ本当に……わかってるよ、焦凍。勝ってくる』
「おう、行ってこい」
焦凍はそう言うと、うちのことをパッと離して会場の方へ向け、背中を押す。
うちはさっきのギューで心臓がバクバクなってる中、全速力で会場へ向かった。
顔の熱を、吹き飛ばすように。
・・・
「これが最後の組だね!! ……それじゃあ、スターーート!!!!」
オールマイトの合図でうちは走り出す。
『憑依、五条悟』
うちは五条を憑依させる。
無下限呪術と六眼を借りようと思ったんだ。
(どうしたの?? ……って、これ今何やってんの???)
お、五条来たな。
ごめん、無下限呪術と六眼と呪力を貸してくれん??
ちょーっと必要っぽいからさ。
(へぇ〜〜、僕の全部じゃん。)
お前のその無駄に良い容姿は残んだからいいだろが。
(え、僕のことイケメンって思ってんの!?? 何それ嬉しい〜〜!!)
黙れ。ってかマジで貸してくれん?? どうやって勝つか悩んでるから。
(別に貸すのは全然いいんだけどさ……
Aが勝ちに一生懸命になるなんて難しいね?? あの紅白頭君になんか言われた??)
……鋭すぎない、アンタ。
(いやいや、いっつもねむそーにしてて、人の話を聞かないで、できるだけ戦いをしたくない、みたいなAが、勝ちたい、と思うなんて……アイツになんか言われたぐらいしか思いつかないでしょ。)
おぉーん……
性格はクソなのに容姿と頭と術式はいい奴って嫌いだわァ……
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作者名：冬猫。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Huyuneko1/
作成日時：2022年8月31日 14時
