Sugar Rush６[Shori.S]

#154 ページ4

結局 勝利くんの部屋に行くことになった








リビングに通され、手荷物は部屋の隅に置くと、勝利くんはコーヒーを淹れにキッチンへ。









この前は、凄く居心地の良い場所に感じた 勝利くんの部屋。



なのに、今日はちょっと緊張しちゃう。








それは さっき、沙絵さんに会ったから？








ソファに腰を降ろすと、ふと テーブルに無造作に置かれた用紙が目に留まった。









交換……留学？？









うそ……



勝利くん 海外に行っちゃうの？







手を伸ばして 交換留学の用紙を手に取ろうとしたその時








勝「行かないよ」




『え……』








コーヒーをテーブルに置くと、スッと用紙を取り、床にぺたんと座った。








勝「申請してるの忘れててさ、断るから大丈夫だよ」






そう、なんだ……？



勝利くん成績優秀なんだろうな……辞退しちゃって良いのかな？







って言うか……受けるつもりで貰って来たんだよね？







私の為に辞めるの？







それとも……。








今日は余計な事を考えてしまう私。








次の瞬間


追い打ちをかけるように、テーブルの上に置いてある 勝利くんの携帯が光った。







”沙絵: 今日は会えて良かった”








沙絵さんからのLINEの通知が見えてしまった。









あっ……







通知を見るわけでもなく、至って普通にしてる勝利くんに対して、全然普通じゃいられない私。







連絡先交換したんだ..






同級生だし普通だよね、、、。







いくら頭ではわかっていても、気持ちがついていかない。





私は、急に胸が苦しくなり、思わず立ちあがってしまった。









『やっぱり帰るね』




勝「え？なんで？」






『だって……』







自分で帰りたくないって言っておいて、帰るはないよね。


わかってる。




けど、これ以上苦しくてここに居られない。





勝利くんにとって大事な人だってわかってるつもりだけど、


沙絵さんの事をちゃんと受け入れて消化出来ずにいる自分が嫌。








私の行動の真意を察したのか



勝「A、ここ 来て？」




と言って、自分が座ってる前の床をポンポンと叩く。

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