【HQ!!】冷徹少女とバレー部員番外編 (ページ10)

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駅から集団で歩き始めた、黒い男子高校生十二人と、私服姿の女子高校生四人。端から見れば、異例の集合だろう。聞いたところ、マネージャーさん二人は先に帰ったようだった。

Aを除く三人と、バレー部が大きなひとかたまりとなって歩いている。Aは、一歩引いて、スマホ片手に一人で歩いていた。

後ろから見ていても、黒い大きな男の人が集団で歩いているのは、暗い夜道と言うことも相まって、少し怖かった。

Aはさっき撮った写真を兄に送る。去年は｢Merry Christmas｣とメッセージ一つ送らなかったので、今年は、と思い、｢Merry Christmas｣と、メッセージスタンプと共に送る。

きっと忙しいだろうから返信はもっと後だと思っていたのに、即既読がついて驚いた。

兄さん楽しかったか?久しぶりにAの写真を見れてよかったよ

そう、｢Merry Christmas｣のメッセージスタンプと共に返ってきた。

返信に困り、返信しようか迷っていると、石につまずいて前に倒れる。

『あっ』

いつもの履き慣れたスニーカーではないから、バランスがとれなかったのだ。

｢転ぶ。｣そう思って目をギュッとつむった。

しかし、痛みが訪れることはなかった。腕を思い切りつかまれた感覚がして、誰かに後ろに引っ張られた。後頭部が引っ張った相手の胸板にあたる。

『うわっ』

｢大丈夫っすか｣

『大丈夫、ありがとう。影山』

助けてくれたのは影山だった。