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結局、3人の説得に根負けしたAは、何を作ろうか考えていた。こうなったら、すごいものを作ってやる。負けず嫌いな彼女のプライドに火が付いた。
午後、フードコートで買い物リストをこしらえたAは、着々と買い物を進める。迷うことなくかごにいれるため、比較的早く終わった。
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現在の時刻午後3時。またフードコートで甘いものを食べながら次の予定を立てる。
「次どうするー？みんな欲しいもの買ったでしょ？」
ドーナツを食べながら百合が言う。
「せやなぁ、たまには早めに帰るとか？もう用ないし」
アイスを頬張る夏実は帰宅を提案する。百合はそれはなぁと反対のようだ。
「じゃあ私したいことあるよ」
コーヒーをソーサーに置き、伊織が言った。
「珍しいね。何々？」
食いつく百合に「そう焦らない焦らない」となだめながら、続けた。
「服、見に行かない？」
「服ぅー？しょーもない。やったら
「これがつまらなくないんだな、夏実さんよ。今から見るのは私のじゃない」
ここで、一度言葉を切って、咳払いをして伊織が言った。
「私はいつも黒いAの服を今から選ぶことを提案します！」
『はぁ？』
一番虚をつかれたのは、のんきにスタバを味わうA本人だった。
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フードコートを離れ、3人に服屋に引っ張られていったAは、着せ替え人形と化していた。あれ、これ、それ、といろいろ合わせては次のお店に引っ張られていく。Aは抵抗する気力を失っていた。
「よし、これだな」
伊織の納得するものが見つかったのか、いろいろなお店で会計を済ませる。もちろん、お財布と相談しながらではあるが、金額はなかなかだ。Aはあれよあれよと言いくるめられ、全身コーディネートされたのである。
「A…。お金、大丈夫なの？」
百合が心配そうに聞く。Aは大丈夫だと答えた。どうも物欲がなく、お小遣いもお年玉も貯まる一方らしい。非常に羨ましい限りである。
「買ぉたはいいけどや、次どないする？」
夏実が言う。それには、またもや伊織が答えた。
「まだみんな時間大丈夫でしょ？今から私の家に行くよ！」
Aが解放されるのはまだ先のようだ。
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作者名：七瀬月華 | 作成日時：2024年2月7日 17時
