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土曜日。Aはショッピングモールに来ていた。これも、友達とバレンタインの買い出しのためだ。4人揃って店内を回る。見渡せばバレンタイン一色だ。
それぞれ買いたいものがあるらしい。Aの目的は、バレンタインの企画スペースだ。チョコレートの祭日とだけあって、美味しそうなものが並んでいた。彼女はそれらを見て、目を輝かせながらどれにしようかと悩むのであった。
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昼。4人はフードコートで昼食をとり、なにやら会話していた。
「みんな今年どうするの？私はブラウニーを作ってみようかと」
そういうのは百合だ。Aに付き添いを断られた日には、一生懸命調べながら買い物をしたらしい。
「私は今年はトリュフかなぁ。量産しなきゃ」
大きく膨らんだ買い物袋を見ながら伊織は言う。量産するのは大変だが、どこか楽しそうだ。
「ほなうちは貰う係！味見専門で！…ってこの前百合に言うたら思い切り怒られたからなぁ。うちは無難にクッキーかなぁ」
笑いながら夏実が言う。次はAの番だと、彼女の目が言っていた。
『私は特になにもしない。大袋のお菓子でも配ろうかな』
そう言った矢先、3人から猛追に批判が入った。
「いやいやいや、ダメに決まってるでしょ！？Aもなんか作りなよ！だからついてきたんじゃないの!?」
「うちですら今年は作るって言うとるんやから作らなきゃダメに決まっとるやん！」
「A、さすがにそれはいかん。才能の無駄遣い過ぎる。ちなみに今日の目的は？」
伊織の問いかけには、『自分用のチョコレートを買うため』だと答えるAに、3人はさらに頭を抱えた。
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作者名：七瀬月華 | 作成日時：2024年2月7日 17時
