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Happy Valentine♡ ページ17




2月上旬。学校全体がどこか浮き足立っていたそれもそのはず。あと数日もすれば、女子の勝負日、バレンタインデーがやって来るからだ。そこかしこで、バレンタインの話題が聞こえてくる。

「今年何作るか決めたー?」
「決めたよー!ガトーショコラでも作ろうかなって」

「私、橘くんにチョコ渡そうかな…!」
「いいじゃんいいじゃん!応援してる!」
「じゃあ私も早乙女先輩に本命渡す!当たって砕けろ精神で告白する!」
「マジで!?」

「バレンタインだってよ、バレンタイン」
「まぁ俺らには関係ないって」
「仮に、もしも、もらえたらどうする?」
「ないだろ。あっても義理だ」
「それもそうだな」

「今年もチョコもらえた数勝負しよーぜ!」
「いいぜ、負けたら今度なんか奢れよ」
「もちろん。お前こそ奢れよ!てか俺が負けるはずがない」
「おうおう、そう言えるのも今のうちだって」
「去年はお前の勝ちだったからなぁ。1個の差とかマジ悔しい」
「面白そうな話してんじゃん!俺もそれやる!」
「じゃあ俺も!」
「マジ?俺はやめとくわ。その代わり。お前にスタバを賭ける」
「そりゃ負けてらんねえなぁ!」

男子女子関係なく、バレンタインの話題一色だ。教室の中だけでも、さまざまな意見も持つ人がいる。それはAの周りでもそうだった。

「Aー!今日の放課後空いてる?買い物行こー!」

そう、元気にAに話しかけて来たのは百合だった。どうやら、彼女はバレンタインの買い出しに行きたいようだ。

『え、嫌。てか今日は委員会の日だから』

即答でバッサリと断るA。『今度の土曜日、みんなで行くじゃん』と付け加えた。

「そうだけどそうじゃない!」

百合がAの机に両手でドンと勢いよく乗せる。彼女いわく、どうも先に欲しいものがあるようで、今日買いに行きたいらしい。

『だから、無理だって。仕事だから』

Aは伊織たちと行ってきて、と言うが、それは違うようで。しぶしぶといった顔で仕方なし、と了承した。

「土曜日は来るんだよね?」

確認してくる百合に、Aは勿論。と一言答えるのだった。

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作者名:七瀬月華 | 作成日時:2024年2月7日 17時

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