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並んでいるといつしかAたちの順番が回ってきて、お参りをすませる。願い事はもちろん秘密だ。
百合の希望で、おみくじをひく。
｢小吉……皆は？｣
｢私中吉だわ｣
｢私吉やったで。Aはどやった？……お〜い、A〜？｣
小吉…と複雑そうな顔をする百合と、おみくじの内容を読む伊織。夏実はAの顔の前でヒラヒラと手を振る。目を見開いているAは、大層驚いたようだ。
『私大吉。大吉かぁ』
｢いいじゃん大吉！私小吉だよ!?｣
『凶とか大凶じゃないだけ良くない？』
『大吉って、これから運気が落ちそうで怖いんだよね』
「グッ……｣
一言も言い返せない百合をよそに、伊織たちはおみくじを結びに行っていた。
慌てて結びに行った百合を見送ると、再びおみくじに目を通す。
『ふーん……………………………………は？』
｢どないしたん？A｣
『いや、何でもない』
｢いいないいな、大吉いいなぁ〜！｣
『百合、そろそろしつこい』
｢そうや、百合。明日か明後日空いとる？買い物つきあってよ。今日の代金分や｣
｢いいよ。さっそく明日行こ。伊織とAは？｣
｢ごめん、明日、明後日はちょっと無理。親戚の子が来るから相手しないといけなくて…｣
｢ほんま？大変やね。Aはどう？｣
『無理』
無理である。明日、明後日は実家へ里帰りしないといけない。親戚回りや、兄の相手などやらないといけないことも残っている。
｢残念。でもまた“四人”で行こうね！約束だよ！｣
“約束”。その言葉に頷くと、ずっと手に持っていたおみくじを財布の中に入れた。
｢ほら、帰るで〜！｣
『今行く！』
Aがびっくりしたおみくじの内容。それは___________
待ち人━━━もうそばにいます。放さぬように。
学問━━━━この調子で頑張りましょう。
恋愛━━━━ずっと想われている人と進展があるでしょう。待つばかりでなく、たまにはこちらからしかけることが重要です。
『………………まさかね』
Aは呟いて待っている友達のところへ駆け出した。
神社の赤と白の梅の木が支え会うように立っている。柔らかい風が、木の間を優しく吹き抜けていった。
Happy New Year編━完━
Happy Valentine♡→←Happy New Year！
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作者名：七瀬月華 | 作成日時：2024年2月7日 17時
