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「えっ!A先輩、明日から練習参加してくれるんですか!?」
いつの間にか目をキラキラさせた日向がそばにいた。期待に満ちた眼差しでAを見る。
『えっ…参加しないとダメ?』
「「「「「「「ダメ!!!!!!!」」」」」」」
伊織、百合、夏実、それからバレー部数人の声がかぶる。
誰か止めてくれないかと周りを見ても、先輩たちは笑ってこっちを見ているし、声をあげなかった人は、ばかばかしいとでも言う表情でこっちを見ている。
要は、味方がいない。 彼女は、あきらめた。
『………………よ』
「え?何?聞こえへんのですけど―」
『………………たよ』
「……ごめん、ほんと聞こえない」
『だから!練習参加するって言ってんの!!!』
「「ツンデレかっ!!」」
『うるさいっ!』
夏実と百合が楽しそうにAの発言を拾う。Aの若干頬が赤いのが確認できる。拗ねているようで、でもどこか楽しそうだ。
「よし!じゃあ明日から7時から頼むな!」
『7時ですか。了解しました』
澤村に言われ、Aは頬を染めながらも頭を下げた。
「結局引き受けるんだからちゃっちゃと頷いちゃえばいいのにねぇ」
「ほんとやんな、まぁ、そこが可愛いんやけど♡いやぁ、ツンデレって、ええな〜」
「だよね〜!」
なんだかバカにされている気がしたAは、とりあえず二人に一睨みきかせておいた。
こんなに楽しいクリスマスは一体何年ぶりだろう。
思わず、頬が緩む。たった一言、呟いた。
『Merry Christmas、皆』
「A?なんか言った?」
『ううん、何でもない。帰ろっか』
「そうだね、解散しようか」
「もう遅いからな、よし!お前ら帰るぞ!」
それぞれの帰路に向かう。
Aは解散した後もしばらく動かなかった。
そして、皆が見えなくなったところで、もう一度呟いた。
_____いつもありがとう。みんなにイイコトがありますように。Merry Christmas。
クリスマス編━完━
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作者名:七瀬月華 | 作成日時:2024年2月7日 17時