・ ページ13
．
当の本人は、けろりとして言う。
『そうだけど…？おじいちゃんたちの分は昨日、いつものお店で和菓子いっぱい買ったから……そもそも洋菓子苦手だし……』
月島が嫌味のように言う。
｢先輩、太りますよ｣
『余計なお世話です』
｢てかなんでそんなに甘いもの食べても太らないの？ねぇ何で？教えろ〜！｣
『知らない。伊織、肩叩かないで』
｢くどくないんですか……？｣
『別に普通』
山口がおずおずと聞く。Aはさらりと答えた。影山も聞く。
｢何買ったんですか？｣
『えっと…』
ここでチーズケーキなどを出せばまだわかるものの、名をあげるのはがっつりクリームが使われた甘いもの。 さらに衝撃である。
『私にとっては月島がショートケーキが好きってことの方が衝撃なんだけど』
この調子で、ケーキの話をしていると、あっという間に分岐点に着いてしまった。
楽しい時間は、あっという間だ。
━◈━◈━◈━◈━
｢おそーい！｣
｢伊織がいきなりいなくなるからびっくりしたわ｣
｢ごめんごめん｣
Aは三人のやり取りを見ると、なんだか懐かしく思えた。
｢影山〜、お前ら何話してたんだよ！｣
｢明日も練習だよな｣
｢そうだべ｣
いろいろな 会話が聞こえてきた。
「そうだ、A！29日まで練習があるんだ！｣
「だから明日から練習に参加してくれないか!?｣
『断る』
｢｢ナゼだ!?｣｣
『だってめんどくさいじゃん』
田中と西谷の疑問にAは即答する。二学期も終わったのだから部活に参加などしたくない。
｢参加してあげたら？｣
『伊織……？』
｢今日はクリスマスだよ？Aからバレー部へのクリスマスプレゼントと言うことで叶えてあげたら？｣
｢さんせーい！いつも嫌がってるけどさ、後4日間くらい参加しなよ！｣
｢せやで！どうせ用事もなく家でのんびりするんやろ？やったら参加してあげよ〜よ〜！｣
伊織だけでなく、百合と夏実にも言われてしまっては断るにも断れないくなる。
彼女だって人の子だ。友人の頼みは断れない。 言葉に詰まっていると、声が聞こえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：七瀬月華 | 作成日時：2024年2月7日 17時
