97個 ページ6
《…!……ヨ!起きてキヨ!》
『……ん…?』
《なに彼奴!?キヨ何時吾輩から乗り換えたの!!》
『お前何処でそんな台詞覚えた…』
寝ぼけ眼を擦りながらネコの指指す…じゃ無いな。
ネコが向いて居る方を見ると、半分開きかけたドアの隙間から明らかに猫では無い動物が見え隠れして居た。
ぱっと見は狸の様に見えるけど…
狸は眉間のあたり黒くないし、あんな手じゃ無い。
『…え?アライグマ?』
野生のは偶に見たことあるけど、何で?
僕の声に気付いたのか、スルリと入ってきたアライグマは真っ直ぐソファまで来て咥えた手紙を差し出す。
寝起きのゆっくりした動きで受け取ると、ネコに向かって一言二言鳴いたアライグマはまたドアから出て行った。
…器用だなアイツ。
《それランポに渡して、だって》
『乱歩さんに?』
封筒をひっくり返しても差出人の名前などは書かれてなく、赤い蝋で封をされているだけ。
表には流れる様な筆で何か英語が書かれていた。
『……』
………読めない。
◆ ◆ ◆
「へぇ〜え…この僕にねぇ…」
『何となく組合からっぽいんですけどね。それ表には何て書かれてるんですか?』
「んー判んない」
『あ、はい』
8時ぴったりに国木田さんが来てから次々に出社してくる皆さん。
相変わらずお菓子の袋を抱えた乱歩さんに
アライグマからの手紙を渡すと、珍しく放り投げずに繁々と見入っている。
組合からだったら、乱歩さん宛に何を送って来たんだろうか?
「あぁ与謝野さん。丁度善い、これ一緒に行こう」
「妾?善いけど……『推理
『そう書かれてたんですね』
「読めなかったのかい?」
『英語って事しか』
さらさら書かれてて逆に読めません…。
でも推理遊戯なら、慥かに此れは乱歩さんの専門分野になる。
頭脳面で乱歩さんに敵う人は多分居ないから。
「じゃ、行ってくるね」
「清、今日中に妾らが戻らなかったら
その時は切り捨てな」
『え?でも…』
「…ふっ、冗談さ。まぁそんなヘマする心算は無いけどね」
『冗談に聞こえないです与謝野先生…』
妾が死んだら、ある意味探偵社も終わりだからねぇ
何て言い乍ら何故か頭を撫でられる。
早くーと叫ぶ乱歩さんを追って、そのまま与謝野先生は事務所を後にして行った。
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闇少女(プロフ) - ありがとうございます!お願いします! (2018年4月17日 21時) (レス) id: 86db96a001 (このIDを非表示/違反報告)
のら猫(プロフ) - あ…あ…ありがとうございます…!( ;∀;)黒蜥蜴!確かに出てなかったです!ザアパルク後ら辺にいきます(*´-`) (2018年4月17日 7時) (レス) id: 92e6776368 (このIDを非表示/違反報告)
闇少女(プロフ) - 黒蜥蜴と絡んでほしいです。更新頑張ってください! (2018年4月16日 17時) (レス) id: 86db96a001 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のら猫 | 作成日時:2018年4月8日 17時