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比較的小さかったキノコは、一口で彼奴の口の中に消えた。
なんだ彼奴…?たかだかキノコ一本食べるの見せたかっただけなのか?
「清君…」
『ん?』
「これから想像を絶する鬼ごっこが始まるけど、
太宰さんには絶っっ対に捕まっちゃダメだよ…」
『そんな全てを諦めた様な顔で言わないでよ』
敦さん、目が。目が明後日の方向向いてる。
.
「うふ…うふふふふふ…」
『!?』
「は、始まった…」
物音と気味の悪い笑い声に思わず振り返ると、
彼奴は俯いたまま肩を震わせて笑っていた。
そのままゆっくり顔を上げ
「みぃ〜〜つぅ〜〜けぇ〜〜〜たっ!!」
「ひぃっ!」
『うわっ!』
急に何時もの三倍くらいの速さで彼奴が飛び掛かってきた。
なんとか避けた僕たちの後ろの机に着地した彼奴は、ずっと笑いながらまた振り返った。
…まって顔がやばい。
目が据わってるぞ、あれ。
「うふふふふ…虹色のゾウリムシ、今度こそ捕らえるぞ…。
やや!私はなんて幸運なんだ!こんな所で星型のミカヅキモに出会えるなんて!」
『もう三日月じゃ無いじゃん、それ』
「捕まったら包帯巻きだよ、清君」
『藻類よりはそっちの方がまだ善い気がする』
「いや、物理的に包帯巻き」
『勘弁してよ、っと!』
「あひゃひゃひゃひゃひゃ!」
『ひぇっ…!』
「あわわわわ!」
怖い怖い怖い怖い!
てか彼奴あんなに跳躍力あったっけ?
なんか通路挟んだ机と机の間とか軽々しく跳んでくるんだけど。
…あれ?ネコどこ行った?
《頑張れキヨ〜》
『あっ、お前狡いぞ!』
一人棚の上で高みの見物しやがって!!
「うふふふふ、君たちでは私から逃げられないよ!」
『「 冗談に聞こえないですよ!/んだけど! 」』
僕も敦さんも気が付けば異能力使ってる。
二人とも無意識に尻尾出るくらいには焦ってる。
僕は割とこういう狭いとこ移動するのは得意だけど、敦さん虎だからなぁ。
勢い余って偶に壁に激突してるんだよね。
痛そ。
「いったぁ!」
「うふふふ、鳥黐発射!」
『っ!』
彼奴…!ホントに鳥黐投げつけやがった!!
さっき敦さんが頭ぶつけた壁には本物の鳥黐が
べったり貼り付いていた。
寸でで敦さんを抱えて、ネコの居る棚の上へ避難。
…したは善いけれど。
『ちょっとネコ!もうちょっと奥行けない!?』
《無ー理ー!店員
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闇少女(プロフ) - ありがとうございます!お願いします! (2018年4月17日 21時) (レス) id: 86db96a001 (このIDを非表示/違反報告)
のら猫(プロフ) - あ…あ…ありがとうございます…!( ;∀;)黒蜥蜴!確かに出てなかったです!ザアパルク後ら辺にいきます(*´-`) (2018年4月17日 7時) (レス) id: 92e6776368 (このIDを非表示/違反報告)
闇少女(プロフ) - 黒蜥蜴と絡んでほしいです。更新頑張ってください! (2018年4月16日 17時) (レス) id: 86db96a001 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のら猫 | 作成日時:2018年4月8日 17時