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「国木田さん、逆探知は出来なかッたんですか?」
「始めるには通話時間が短過ぎた。だがこの横浜に造船所跡など二箇所しかない」
「やっぱり乱歩さんの言う通り港側にいるでしょうか…」
助手席で地図を見ながら不安そうに敦が呟く。
意気揚々と事件から帰ってきた乱歩がものの数秒で
割り出した賢治と清の居場所は、国木田の云う
二つの造船所跡のうち港側の方だった。
もう一つは横浜郊外にあるが、態々まだ人通りも少なくない港側を犯人達が選んだ理由は至極単純。
"まさか犯人がこんな近くに潜むはずがない"思い込みを逆手にとっただけだ。
谷崎の調べによればそこはかつての大戦期にも
使われた場所で、市の重要文化財として日中は一般公開もされていた。
今日は休館日らしく人は居ないという。
国木田がハンドルを握る車輌には敦の他に谷崎、
与謝野、鏡花、そしてーーーーー
.
「…ふむ」
丁度国木田の後ろの席で携帯片手に一人思案顔をしている太宰。
武装探偵社のほぼ全員が揃っていた。
「太宰さん?どうかしました?」
「…いや何ね、ちょ〜っと面倒臭い事になるかも
知れなくてね」
「面倒臭い事、ですか?」
「珍しいじゃないか。事に当たる前にそんな事言うなんて」
太宰の口から面倒だと漏れる事は日常茶飯事だが、
今回は事の成り行きが面倒臭いと言った。
屹度この人の事だ、何か別の解決法を見つけてくれるに違いない。
そう思い敦は顔を前に向けた。
「見えました。彼処なンですけど…」
「どうしてこうも入り組んでいるのだ…!」
大通りから外れた脇道を走る事数分で、目的の倉庫は現れた。
西日を受けて朱くその存在感を主張している建物は
壁の所々が崩れていたり、塗装が剥がれていた。
.
その時
.
轟音と共に、壁と同じく崩れかけた屋根を突き破って巨大な鉄板が飛び出した。
突き抜けた鉄板はまた倉庫へと落ち、土煙を上げる。
敦が急遽開けた窓からは間髪入れず飛び交う銃声が微かに聞こえ始めていた。
「国木田君!」
「判っとるわ!!」
無理矢理通り抜けた小道から倉庫までの凡そ一本道にタイヤの擦れる音が響いた。
.
「……痛…っ?」
「どうしたんだい、敦君」
「耳鳴り…?耳というか、頭にキーンと…」
「妾たちはなんともないけど?」
「………拙いかもね」
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闇少女(プロフ) - ありがとうございます!お願いします! (2018年4月17日 21時) (レス) id: 86db96a001 (このIDを非表示/違反報告)
のら猫(プロフ) - あ…あ…ありがとうございます…!( ;∀;)黒蜥蜴!確かに出てなかったです!ザアパルク後ら辺にいきます(*´-`) (2018年4月17日 7時) (レス) id: 92e6776368 (このIDを非表示/違反報告)
闇少女(プロフ) - 黒蜥蜴と絡んでほしいです。更新頑張ってください! (2018年4月16日 17時) (レス) id: 86db96a001 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のら猫 | 作成日時:2018年4月8日 17時