127個 ページ37
「行った事無いって…如何云う意味です?」
「そのままだよ。あれだけ人嫌いの彼が、態々人の集まるスーパーなんかには行かないだろうから」
「何故彼奴が人嫌いだと判る?」
「…まぁ昔にちょっとね」
何となく言葉を濁し乍ら太宰さんは自分の机に向かって行った。
でも僕や国木田さんと話してた時はそんな人嫌いそうな感じは出てなかったけど…。
それに太宰さんの言う"昔"に何があったんだろう?
若しかしてマフィアに居た頃に何かあったのかな…
「国木田さん」
「ん、谷崎か。如何した」
「あの、賢治君ッて見てないですか?連絡も取れないし寮にも戻ッてないみたいで…」
「何?」
焦り気味で戻ってきた谷崎さんは、確か昨日帰り際に賢治君と一緒の仕事を頼まれて居たはず。
けど寮にも居ないって、一体何が…?
.
その時、国木田さんの卓上の電話が鳴った。
「はい、こちら武装探偵社……何だと?」
「?」
急に真剣な表情になった国木田さんが
「ーーお宅の餓鬼二人を預かっている。
日没までに社長を造船所跡までに連れて来い」
「…!」
それだけ伝えた声は国木田さんが問い返す前に切れた。
「真逆、賢治君と清君が!?」
「みたいだねぇ」
「ど、如何しましょう?確か造船所跡ッて最近
怪しい集団の出入りがあった情報がありますけど…」
「恐らく其奴らだろう。俺も軍警から聞いてはいる。社長は居るか?」
「えぇ社長室に」
険しい顔のまま国木田さんは社長室のドアを
潜って行った。
どうしよう…
社長を連れて来いだなんて、そんなの殺す以外に目的が無いに決まってる。
でもこのままじゃ賢治君と清君が……
「選りに選ってあの二人とはね」
「賢治君は怪力の異能持ちとは云え、まだ14ですよ?」
「せめて二人の居場所だけでも判れば…」
「たーだいまー!」
ピリついた事務所の雰囲気を物ともせずに帰ってきたのは、近所の殺人事件の依頼解決に行っていた乱歩さんだった。
片手には相変わらずラムネの瓶が握られて居る。
「乱歩さん!先刻身元不明の人物から、賢治君と清君を預かったッて云う電話があって…!」
「えー何それつまんなそう!」
「いやつまんないそうって、二人の命が掛かってるんですよ!?」
「その二人だからこそつまんないの!」
「…え?」
80人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
闇少女(プロフ) - ありがとうございます!お願いします! (2018年4月17日 21時) (レス) id: 86db96a001 (このIDを非表示/違反報告)
のら猫(プロフ) - あ…あ…ありがとうございます…!( ;∀;)黒蜥蜴!確かに出てなかったです!ザアパルク後ら辺にいきます(*´-`) (2018年4月17日 7時) (レス) id: 92e6776368 (このIDを非表示/違反報告)
闇少女(プロフ) - 黒蜥蜴と絡んでほしいです。更新頑張ってください! (2018年4月16日 17時) (レス) id: 86db96a001 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:のら猫 | 作成日時:2018年4月8日 17時