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114個 ページ24

「それで。新しい依頼って何?」


「あ、そうでした」





乱歩さんの声に、其れまで空気と化していた手元の資料を見ながら敦さんは説明を始める。






何でも軍警からの報告で、組合の遺産を狙った
海外の犯罪組織がこの横浜に流入して居るんだとか。


組合の遺産、ねぇ……。



そんな物持って何になるんだか。







「ーー逃げられましたけど……彼女、金属の箱を持っていました。


まさか探偵社の復讐の為、犯罪組織と手を組んでこの建物に爆弾か何かを……」




『其れするのにあからさまに見つかってたら拙くない?』


「じゃ この店も危ないのかねぇ?」




特に心配もして無さそうな顔でおばちゃんは
口元に手を宛てる。






前に聞いたけど、何かと襲撃の多い探偵社が上階にあるこの建築物(ビルヂング)じゃ一々そんな事で悩んでも仕方ないのだろう。


おばちゃんと言い、奥にいる渋い男性と言い、
肝の座り方が違うのが雰囲気で判る。






「流石店長、渋い。珈琲一筋三十年」


「石鹸を使っても手から珈琲の匂いが取れない男」





「他に特技が……ありませんから」



「渋い」

「不器用系伊達男」




何だよ不器用系伊達男って。

渋いのは判る。何となく僕も好きな落ち着く感じがする。



…にしても





『…珈琲の良い匂い…』


「(ほのぼのしている…)」





危機感を全くと言って良いほど感じない談笑に
戻ると、途端に店内はゆるゆるモードに再突入する。






.







.








その時


ふと背後に感じる何か。





『……?』


「どうしたの?」




『…いや、何でもない…』







誰か、そこに居たような気がしたんだけど…


振り返っても入り口の硝子や窓に人影はなく、
ただ朝日に照らされた通りだけが眩しく映っていた。





気の所為、かな。









.









特にその後何が起こるという事もなく、
お昼位まで僕も其処でダラけた。




あの、とても居心地が良い…。




これは寛ぐのも判る。

日がな一日此処に居ても全然平気な位には
気に入った。


ネコも煮干し貰って上機嫌だったし。






ちゃんとその後事務所に戻って報告書は書いたよ。

所々敦さんに教えて貰い乍らだけど、何とか
その日のうちに出来たから良しとしようと思う。

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闇少女(プロフ) - ありがとうございます!お願いします! (2018年4月17日 21時) (レス) id: 86db96a001 (このIDを非表示/違反報告)
のら猫(プロフ) - あ…あ…ありがとうございます…!( ;∀;)黒蜥蜴!確かに出てなかったです!ザアパルク後ら辺にいきます(*´-`) (2018年4月17日 7時) (レス) id: 92e6776368 (このIDを非表示/違反報告)
闇少女(プロフ) - 黒蜥蜴と絡んでほしいです。更新頑張ってください! (2018年4月16日 17時) (レス) id: 86db96a001 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のら猫 | 作成日時:2018年4月8日 17時

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