卒アル2 ページ21
絆創膏を出す時、間違えて包装ではなく中身をゴミ箱にINした私
開く途中の自動ドアにダイレクトアタックする私
公共交通機関の定期で自宅マンションに入ろうとする私
裏山の木の上で疲れ果てて爆睡する私
長期滞在するつもりのなかった来日当初、宿泊していたホテルでインキーを連発した私
同じく来日当初、日本語を勉強する私
アニオタ御用達ショップにて同人誌を買い漁る私
コミケで同人誌を買い漁る私
…その他諸々。すぐに始末しよう。
｢アイツだけ量が異常なんだが｣
｢刑務作業でもしてんのか？｣
粉々にして丸め、対先生弾の粉末を振りかけて殺せんせーに投げつけるも、案の定というか、避けられる。
｢ビッチ先生！！ 何とか言ってやってよ、あのパパラッチ！！｣
矢田は教室の隅に立つビッチ先生に訴え出るが…
｢…4月から同居。…4月から1日10発｣
｢矢田ちゃん、あの人使いもんにならんぜ｣
恍惚とした表情でブツブツと何か言っている。心ここに在らずだ。メグ曰く、宗教に入ったらしい。
｢ああしかし、撮り溜めた量じゃ全然足りない！！ 目標は1万ページの卒業アルバムを作る事なのに！！｣
｢俺等がどんどん破ってるしな｣
｢広辞苑でも三千ページねーぞ｣
もう数十枚は破ったような気がする。
｢外に出なさい！！ 衣装を変えて写真の幅を増やしましょう！！｣
こうしてコスプレ撮影会が始まった。カウガール、アニメキャラ、ハロウィン、ヤンキー、魚介類などなど、内心楽しい。
そんな中、殺せんせーの用意した衣装や小道具箱に目を遣る。そこで目に入ったウエディングドレスとタキシードを見つける。
｢うわぁ〜｣
わざとらしく声を上げ、隣にいた莉桜、殺せんせーとアイコンタクトをとった。
次の瞬間には、タキシード姿の烏間先生にお姫様抱っこされたウエディングドレス姿のビッチ先生。
｢何だこれは｣
｢烏間先生も皆に合わせてコスプレしなきゃ。試着と言うべきですかねぇ｣
一瞬にして状況を飲み込んだクラスメイト達も囃し立てる。ビッチ先生は
｢カラスマ、初夜待った無し｣
｢やかましい！！｣
と怒られていた。
｢…さて、これで学校内での写真は充分でしょう｣
突然の浮遊感と急降下、そして柔らかな感触。
｢ちょっと待て、充分なら何で俺等バッグに詰められてんだ！！｣
｢この校舎の中だけではとても足りない。世界中で皆さんとの写真を撮るのです｣
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作者名：京陽 | 作成日時：2020年8月17日 23時
