準備 ページ35
｢ダル…だから暑いのに外出たくないんだけど｣
｢まぁまぁ…｣
南の島での暗殺を目前に、その訓練と計画の詰めに集まる…とメールが来たのは今朝。カエデからのモーニングコールで起き、学校に押し込まれた。
｢まぁまぁ、ガキ共。汗水流してご苦労な事ねぇ｣
一体どこのセレブだ。
｢ビッチ先生も訓練しろよ。射撃やナイフは俺等と大差ないだろーにさ｣
｢大人はズルいのよ。あんた達の作戦に乗じてオイシイとこだけ持ってくわ｣
何となくデジャヴ。そう、これは…
｢ほほう。えらいもんだな、イリーナ｣
ぎく、と肩を揺らすビッチ先生。
｢ロッ、ロヴロ先生！？｣
｢夏休みの特別講師で来てもらった。今回の作戦にプロの視点から助言をくれる｣
烏間先生が言う。ここにいる誰よりも熟練の殺し屋だったのだ、是非とも聞きたい。
｢1日休めば指や腕は殺しを忘れる。落第が嫌ならさっさと着替えろ！｣
｢へ、ヘイ喜んで！！｣
修学旅行日と同じ流れで、ビッチ先生はヒールを鳴らし走っていった。
ロヴロさん曰く、今回は殺し屋を送らない。殺せんせー相手に部外者を送り込むのは難しく、レッドアイのときと同じように暗殺を察知されやすい。その上、2度目には教室にすら辿り着かせてもらえないと言う。
｢更に困った事も重なってな｣
｢困った事？｣
矢田が尋ねる。
｢残りの手持ちで有望だった殺し屋数名が…何故か突然連絡がつかなくなった｣
そんな訳で、この夏はE組のみで実行しろと。
｢それで、今回の計画はどんなものだ？｣
｢えっとですね…まず精神攻撃、それから約束の7本を破壊｣
計画の全貌を尋ねられ、計画書を見せながら答える。
｢その後、間髪入れずクラス全員の攻撃を｣
大雑把だが、まあ分かるだろう。
｢ふむ。その『精神攻撃』というのは何だ？｣
｢動揺させるんスよ｣
この間の本など、ネタは豊富。
｢『クラスの皆さんには絶対内緒ですよ』…ってアイス1本配られたけど、今どきアイスで口止めできるわけねーだろ！！｣
｢クラスでさんざんにいびってやるぜ！！｣
前原が笑う。渚の
｢他にもゆするネタはいくつか確保してますから、まずはこれを使って追いこみます｣
という言葉に
｢残酷な暗殺方法だ｣
とロヴロさんは言った。
｢…で、肝心なのはとどめを刺す最後の射撃。あの2人は素晴らしい｣
｢でしょ？｣
千葉の遠距離射撃には私もついていけない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：京陽 | 作成日時：2019年12月2日 11時
