教官6 ページ4
｢ごめんなさい。出て行ってください｣
どうだ、と言わんばかりのクラスメイトたちの表情。ちなみにビッチ先生は
｢じゃ、私はあんたらのなんなのよ｣
｢僕等のビッチです｣
と竹林に言われていた。
渚の言葉に怒り心頭といった様子の鷹岡先生。
｢黙っ…て聞いてりゃ、ガキの分際で…大人になんて口を…｣
渚も思わず後ずさった。襲いかかってくる鷹岡先生に固唾を飲んだ そのとき
ゴッ
快感を覚える程の気持ち良い音と共に、鷹岡先生は倒れた。烏間先生が肘打ちを食らわしたのだ。烏間先生は言う。
｢俺の身内が…迷惑かけてすまなかった。後の事は心配するな、上の交渉する。銃で脅してでも許可をもらうさ｣
｢烏間先生！！｣
歓声が上がる。
｢くっ…やらせるか、そんな事。俺が先にかけあって…｣
その空気を壊す声。鼻血でも出したか、鼻周りを押さえている。すると、新たな声が。
｢交渉の必要はありません｣
｢！！ 理事長…？｣
閻魔様の御成だ。
｢経営者として様子を見に来てみました。新任の先生の手腕に興味があったのでね｣
相変わらずの笑みを浮かべて鷹岡先生に近寄る。この笑顔にさえ、悪寒が走るのは何故だろうか。
｢でもね、鷹岡先生。あなたの授業はつまらなかった｣
その場で理事長先生は何かを書き記すと鷹岡先生の口に突っ込んだ。
｢解雇通知です。椚ヶ丘中の教師の任命権は防衛省には無い。全て私の支配下だという事をお忘れなく｣
その通知を口にしたまま、鷹岡先生は走り去ってしまった。
｢よっしゃあ！！！！｣
2度目の歓声。狂喜乱舞する中、｢理事長もたまには良い事する｣なんて声も聞こえた。
しかし、要は閻魔様の掌の上…あまりに綺麗な地獄であることを示したということだ。
｢ところで烏間先生さ｣
莉桜が言った。
｢生徒の努力で体育教師に返り咲けたし…なんか臨時報酬あってもいいんじゃない？｣
｢そーそー。鷹岡先生、そーいうのだけは充実してたよねー｣
倉橋も続ける。私も便乗することにした。
｢私さ訓練の1部受け持ってるけど、その報酬出たことないんだよねー｣
ニヤリと笑う。
｢…フン。甘い物など俺は知らん。財布は出すから、食いたい物を街で言え｣
｢やったー！｣
烏間先生の申し出に歓喜する。ビッチ先生まで喜んでいることは敢えて触れない。
その後、皆で街へ繰り出すと…
チョコチョコチョコ…
殺せんせーは土下座してまでスイーツにありつきたいらしい。
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作者名：京陽 | 作成日時：2019年12月2日 11時
