1学期 期末テスト7 ページ27
｢神崎さんも大躍進です。充分ですよ｣
満点の浅野。きっと国語は負けているだろう。個人的な賭けの行方は不透明だ。
｢…やっぱ点取るなァ、浅野は｣
｢強すぎ。英語だって中村と1点差の2位だぜ｣
浅野学秀
英語99点 学年2位
｢“五英傑”なんて並べて呼んでるけどよ、結局は浅野1人、あいつを倒せなきゃ学年トップは取れねーんだ｣
｢…！！｣
これはいよいよヤバいのか。教室にも私にも緊張が走る。
｢…では続けて返します。社会！！ E組1位は磯貝悠馬97点！！ そして学年では…｣
ドクン…
｢おめでとう！！ 浅野君を抑えて学年1位！！｣
｢よっし！！｣
磯貝は立ち上がり、ガッツポーズを決める。
磯貝悠馬
社会97点 学年1位
浅野学秀
社会95点 学年2位
あのアホみたいな問題で失点僅か3点と5点。
｢うーわ…｣
思わず声が漏れる。
｢これで2勝1敗！！｣
｢次は理科…奥田か！！｣
E組としては順調。
｢理科のE組1位は奥田愛美！！ そして…理科の学年1位は！！ 素晴らしい！！ 学年1位も奥田愛美！！｣
奥田愛美
理科98点 学年1位
浅野学秀
理科97点 学年2位
小山夏彦
理科95点 学年3位
英語、社会、理科で勝利…
｢3勝1敗！！ 数学の結果を待たずして、E組の勝ち越し決定！！｣
パァっと表情が明るくなる奥田。お祝いムードに私も笑みを零す。
一方、左の空席が気になりそっと教室を出た。
｢カルマ…｣
校舎からはどうやったって見えない木の影に立っていた。4、5m程離れたところから声をかけてみる。
赤羽業
数学85点 学年10位
総合469点 学年13位
｢…｣
返事をする様子もなく、クシャクシャの答案を噛むカルマ。
｢さすがにA組は強い。5教科総合は6位まで独占、E組の総合は竹林君、片岡さんの同点7位が最高でした｣
突如と現れて喋る殺せんせー。
｢当然の結果です。怠け者がついていけるわけがない｣
｢…何が言いたいの？｣
カルマは顔を向けることなく言った。
｢恥ずかしいですねぇ〜。『余裕で勝つ俺カッコいい』とか思ってたでしょ｣
ぼっ
顔を真っ赤にするカルマ。あんなの初めて見た。
｢刃を研ぐのを怠った君は暗殺者じゃない。錆びた刃を自慢気に掲げた、ただのガキです｣
｢…チッ｣
散々に言われたカルマは、頭に乗っていた触手を振り払い立ち去って行った。
｢ちょ、カルマッ！ …いーの、殺せんせー？｣
｢立ち直りが早い方向に挫折させました｣
殺せんせーは笑顔で言う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：京陽 | 作成日時：2019年12月2日 11時
