1学期 期末テスト ページ21
早いもので、もう期末テストが迫っているという。そんな訳で例の如く張り切る殺せんせー。今は気分転換に、と野外での勉強だ。
｢ヌルフフフ。皆さん、1学期の間に基礎がガッチリ出来てきました。この分なら期末の成績はジャンプアップが期待できます｣
私の周りにはNARUTO��2。それにツッコミを入れることは諦めている。ちなみに今は国語の文章読解をひたすらやっている。
｢今回は…この暗殺教室にピッタリの目標を設定しました！｣
50位以内というのは1回置いておき、新しい目標を作ったというのだ。
｢だ、大丈夫！！ 寺坂君にもチャンスがある目標ですから！！｣
｢…｣
寺坂は普通にその目標とやらを聞こうとしていたのにも関わらず、機嫌を損ねていると勘違いした殺せんせーは必死に機嫌を取る。だが、逆効果で寺坂には青筋が浮かんでいた。
｢さて、前にシロさんが言った通り先生は触手を失うと動きが落ちます｣
そう言って弾を込めたエアガンで触手を撃ち抜いた。すると、分身の中に子供の分身が混ざるという。
｢分身ってそういう減り方するモンだっけ！？｣
クラスメイトたちのツッコミを無視して殺せんせーは続ける。
子供分身が増え、親分身が家計のやりくりに苦しむ。更に1本減らすと父親が蒸発、母親分身は女手ひとつで子を養う…。
｢重いわ！！｣
｢色々と試してみた結果、触手1本につき先生が失う運動能力は…ざっと20%！｣
触手を再生しながら言う。
｢…そこで、テストについて本題です。前回は総合点で評価しましたが、今回は皆さんの最も得意な教科も評価に入れます｣
教科ごとに学年1位を取った者には
答案の返却時、触手1本を破壊する権利
！！
｢チャンスの大きさがわかりましたね｣
触手1本につき20%…つまり、5本取ればほぼ瀕死。総合トップはともかく、5教科なら希望はある！
｢これが暗殺教室の期末テストです｣
教室でテストの対策をしているときだった。杉野の携帯がなる。
｢おう、進藤か｣
あの野球部のキャプテンか。あの試合以降、意外と良い関係は続いているらしい。
｢上から目線｣だとか｢ナレーション｣だとか、何の話題か皆目検討もつかない。
だが、最後には杉野がE組の気持ちを代弁し、士気が高まった気がする。
｢で、殺せんせー。私今度から順位には入れないらしいんだけど。形式だけのテストになるって。私にはチャンスないの？｣
｢ヌルフフフ、それも考えています｣
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作者名：京陽 | 作成日時：2019年12月2日 11時
