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*



「あらあら痛そぉ。大丈夫ですかぁ?」

「急所は外してある。もっとも向こうはそうじゃねぇがな」

「クソが……めんどくせぇ刺し方しやがって……」



この時一条は工藤、そして須永と対峙していた。流石の一条も
猛者二人相手に戦うのは厳しかったのか、深傷を負ってしまい
窮地に立たされてしまっている



「俺は人生一度も負けた事はねぇ。本番はここからだよ。
 本気出す二人まとめて地獄行き」



しかし一条の纏う雰囲気が一変した。武器を構え直し、殺戮オーラが
一層濃くなったのだ



「Aとの約束を守る為にも死ぬ訳にいかねぇんだよ!!」



覚悟したその時だった



「六車の兄貴!あそこです!」

「久我、そんなの見れば分かる!一条、野島!生きてるか!!」




工藤から攻撃を受けて動けずにいた野島から連絡を受けた二人が
現場に到着。一気に形成逆転、これでは不利と悟った工藤と須永は
やむを得ず現場から立ち去った




二人はその後すぐに病院へ運ばれ、一条は一命を取り留めた。
野島の方も数ヶ月で歩けるようになると診断された





「….本当にヒヤヒヤしましたよ、一条の兄貴」

「置いていかないって約束したからな」



この日もAは一条の元に来ていた。すると一条はある事を尋ねる



「羅威刃の動きはどうだ。何か変わった事はないか」

「いえ、あれ以来特に動きは見えません」

「気をつけろよ」



満足に動けない今はこうして情報を得るしかなく、何とも言えない
歯がゆさを一条は感じている



「俺はお前の方が心配だよ」

「え?」

「どうしてもあの日の事がよぎるんだ」



首筋に傷痕が残る切っ掛けになった5年前の事だろうか



「A、約束しろ。絶対に死ぬな」

「……」

「頼むから分かったと言ってくれ」

「すみません、一条の兄貴。私シノギがあるので失礼します」



それにAが答える事はなかった。逃げるように帰った後
一人きりとなった一条は呟く




「俺は……生きていて欲しいんだよ。A」




誰に聞かれる訳でもなく、病室には針の音が虚しく響いていた





*

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設定タグ:ヒューマンバグ大学 , 京極組 , 天羽組   
作品ジャンル:恋愛
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ゆず(プロフ) - 悠さん» 関係性については早く夢主に思い出してもらわないといけませんね! (2023年1月1日 9時) (レス) @page16 id: 72061703ef (このIDを非表示/違反報告)
- 城ヶ崎との関係が気になる! (2023年1月1日 1時) (レス) @page48 id: 1f3484379a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 芥子さん» 名前変換につきましては早急に対応します! (2022年12月26日 17時) (レス) id: 72061703ef (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - コメントありがとうございます!そろそろ第二部も考えていますので宜しければ遊びに来てください! (2022年12月26日 17時) (レス) id: 72061703ef (このIDを非表示/違反報告)
芥子 - この世界観に溶け込んで読んでみたいなぁとも思うので、よろしければ是非名前変換の方ご検討頂きたいです…!(設定ページの方閲覧いたしました)ゆずさんの都合がよければで大丈夫です!これからも応援してます! (2022年12月26日 14時) (レス) id: d4a3ef37b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2022年11月15日 9時

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