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*




しかし何度も顔を合わせれば多少なりとも情は出てくるものでこの頃の
俺は合間を見てこいつに会いに行くのが日課となっていた



「今は何の仕事をやってるんだ?」

「清掃ですよ」

「そうか。大変だな」

「血を拭き取るの大変でした。おまけに……」



清掃っつっても特殊の方だったか



「A。無理すんなよ」

「伊武さんがそれ言います?」



ついこの前この女の名前が分かった。Aと言うらしい。
……可愛い名前じゃねぇか



「それで何か思い出せたか?」

「全く」

「そうか」



Aは記憶がないと言っている。最初の頃の異様な生意気さは
それを隠す為の虚勢だったようだ



「明日この町を出ていくんです」

「随分急だな」

「だから最後に会えて嬉しかった」

「……そうかい」



二度と会いたくないと最初は思ったが、今はむしろもう少し側に
いたいとすら思っている。だがAが決めた事だ



「俺もお前に会えて嬉しかったぜ」

「ありがとう。私ね伊武さん好き」

「は?」

「優しいしお兄さんみたいだから安心する。だから好き」

「……あぁ。そういうことか」



一瞬、期待した自分が恥ずかしい。そしてそれがAとの最後の
会話だった






________





「龍本の兄貴。お帰りなさい」



ウチの組員に手をかけた京極組の親父の実子を粛清に行っていた
兄貴が帰ってきた



「伊武。とんでもない良い女がいたぜ」

「龍本の兄貴が仰るなら相当ですね。もしかして
 人たらしの藤間ですか?」

「あぁ。想像以上の美人だった」



美人と聞いて俺は真っ先にAの事を思い出した



「もしかしたらお前も何かの機会に会うかもしれないな」

「そうですね」

「気を抜けば惚れ込んでしまうかもしれねぇから気をつけろよ?」

「肝に銘じます」



俺は未だにAの事が忘れられないから惚れるって事はないだろうな






「A……」





お前は今、何をしている?ちゃんと笑っているか?





「お前に会いたい」





今度会えたら兄としてではなく、一人の男として俺を見てほしい。
そう思いながら俺は今日もいつものようにシマの見回りに行くのだった





*

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設定タグ:ヒューマンバグ大学 , 京極組 , 天羽組   
作品ジャンル:恋愛
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ゆず(プロフ) - 悠さん» 関係性については早く夢主に思い出してもらわないといけませんね! (2023年1月1日 9時) (レス) @page16 id: 72061703ef (このIDを非表示/違反報告)
- 城ヶ崎との関係が気になる! (2023年1月1日 1時) (レス) @page48 id: 1f3484379a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 芥子さん» 名前変換につきましては早急に対応します! (2022年12月26日 17時) (レス) id: 72061703ef (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - コメントありがとうございます!そろそろ第二部も考えていますので宜しければ遊びに来てください! (2022年12月26日 17時) (レス) id: 72061703ef (このIDを非表示/違反報告)
芥子 - この世界観に溶け込んで読んでみたいなぁとも思うので、よろしければ是非名前変換の方ご検討頂きたいです…!(設定ページの方閲覧いたしました)ゆずさんの都合がよければで大丈夫です!これからも応援してます! (2022年12月26日 14時) (レス) id: d4a3ef37b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2022年11月15日 9時

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