10 一体、誰が? ページ20
*
「皆、何してるのかな」
Aは今、病院のベッドの上にいた。何故そのような事になったのか
それは数日前まで遡る……
「……はっ、キツいなぁ」
何故立っていられるのか不思議な程にボロボロなA。先程、
組の命令で半グレ組織のカチコミを終えたのだが……
「(報告では5人だったのに……まさかあんなにいたなんて)」
そう。報告では5人と聞いていたのだが、実際は10人以上だった。
一人でカチコミをするには多い。果たしてそれを組は知っていたのか……
路地に差し掛かった所でAは壁に背を預けながらズルズルと
座り込んでしまった。こうなっては誰かを呼ぶしかなく、震える
手で電話をかけようとする
「(駄目だ……意識が……)」
そこからの事は覚えていない。気がつけば病院のベッドの上で
たまたまその時に見舞いに来ていた野島に尋ねるも連れてきたのは
自分ではないとの事。久我に聞いてもやはり自分ではないと言う
ばかりで誰がここに運んだのか、一切分からないままだった
__ガラッ
「A」
「……海瀬の兄貴?」
「起きてたのか」
そこに現れたのは海瀬だった。まさか来るとは思わず、反射的に
体を起こそうとするが……
__ズキッ!!
「いっ!?」
「馬鹿野郎、ジッとしてやがれ!」
軽く怒られながら再びベッドに戻り、それを確認した海瀬は
拳で軽くAの額を叩いた
「無茶するんじゃねぇよ」
「ご、ごめんなさい」
「……」
少し沈黙が続いた後に海瀬にある事を尋ねる
「親父様は……何か言っていましたか?」
「知らねぇよ。ただあの半グレ共がいなくなったお陰で
利権がウチに入る事になって喜んではいたがな」
違和感は拭えないものの、そうですかとしか言いようがない
それに思わずため息が出た
「……じゃあ俺行くからな」
「え、もう……?」
するとあからさまに残念がる姿を見た海瀬は……
「んな面するなよ。また明日来るから」
「待ってますからね。来なかったら怒りますよ」
「何だと?お前、退院したら覚悟しろ」
そして二人はお互いの顔を見て笑ったのだった
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ゆず(プロフ) - 悠さん» 関係性については早く夢主に思い出してもらわないといけませんね! (2023年1月1日 9時) (レス) @page16 id: 72061703ef (このIDを非表示/違反報告)
悠 - 城ヶ崎との関係が気になる! (2023年1月1日 1時) (レス) @page48 id: 1f3484379a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 芥子さん» 名前変換につきましては早急に対応します! (2022年12月26日 17時) (レス) id: 72061703ef (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - コメントありがとうございます!そろそろ第二部も考えていますので宜しければ遊びに来てください! (2022年12月26日 17時) (レス) id: 72061703ef (このIDを非表示/違反報告)
芥子 - この世界観に溶け込んで読んでみたいなぁとも思うので、よろしければ是非名前変換の方ご検討頂きたいです…!(設定ページの方閲覧いたしました)ゆずさんの都合がよければで大丈夫です!これからも応援してます! (2022年12月26日 14時) (レス) id: d4a3ef37b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2022年11月15日 9時