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*




「Aちゃん!今日女の子のキャストが足りないの。手伝って
 もらえるかしら?」

「常連のお客様がね、Aちゃんの歌が聞きたいっていうから
 ステージに立って欲しいのよ。報酬は十分支払うわ」

「Aさん。ちょっとうちの若い衆の事で相談が……」




結論から言うと小林が想像していた人物像とは大きくかけ離れていた。
化けの皮を剥がすつもりで調べたものの、その働きっぷりにむしろ
感心さえ覚えるほどだ



「(普通だな)」



香月と張り合える程の見た目である事を除けば至って普通。
だが、調べたいのはそこじゃない



「(それにしても探し物(・・・)って何だ?)」



伍代が意味深に言っていたそれが何の事なのか。それが知りたかった。
しかし現時点でこれといったものが見つからず、そろそろ引き上げ
ようとしたその時だった



「あの、私に何か用事ですか?」

「!!」



突如背後から声が聞こえ、振り向くとそこにはAが立っていた。
まさか自分が後ろを取られるとは思わず、小林は思わず驚くも
すぐさま本題を切り出す



「お前、うちのシマの近くで何をしていたんだよ」

「……あそこに行けば何か思い出せるかなと思って」



そこで伍代の言っていた訳ありというものが合点するが、それを
差し引いても自分達のシマの近くをウロウロされるのは気分が悪い。

小林は胸ぐらを掴み、目的は何だと問い詰めるもAはそれを
意に介さずといった表情でジッと目を見つめた



「私は一体、何を忘れているのか。それが知りたい」

「……」



こちらを真っ直ぐ見つめる瞳は嘘をついていなかった



「……そうか」



Aを開放すると懐からメモを一枚取り出し、何かを書くと
それを差し出す



「シマの近くを勝手にウロウロされても迷惑なんだわ。だから……」



__気になる事があればここに連絡しろ



「あ、あの……?大丈夫なんですか、こんな事して」

「お前には借りがある。そのお返しだ」

「……ありがとうございます」



その時の表情があまりにも嬉しそうで。本来の目的は果たせ
なかったけれど、それを見れただけでも十分な収穫になったと
小林は思ったのだった




*

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設定タグ:ヒューマンバグ大学 , 京極組 , 天羽組   
作品ジャンル:恋愛
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ゆず(プロフ) - 悠さん» 関係性については早く夢主に思い出してもらわないといけませんね! (2023年1月1日 9時) (レス) @page16 id: 72061703ef (このIDを非表示/違反報告)
- 城ヶ崎との関係が気になる! (2023年1月1日 1時) (レス) @page48 id: 1f3484379a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 芥子さん» 名前変換につきましては早急に対応します! (2022年12月26日 17時) (レス) id: 72061703ef (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - コメントありがとうございます!そろそろ第二部も考えていますので宜しければ遊びに来てください! (2022年12月26日 17時) (レス) id: 72061703ef (このIDを非表示/違反報告)
芥子 - この世界観に溶け込んで読んでみたいなぁとも思うので、よろしければ是非名前変換の方ご検討頂きたいです…!(設定ページの方閲覧いたしました)ゆずさんの都合がよければで大丈夫です!これからも応援してます! (2022年12月26日 14時) (レス) id: d4a3ef37b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2022年11月15日 9時

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