ヒューマンバグ大学短編集５ (ページ9)

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甘やかしと本音　オリオンvsミスト　甘々？ページ9

*コードネーム金木犀(固定)

金木犀、もといAの所属するチームはミスを犯した

そのせいでターゲットを取り逃がすだけに留まらずAを
残して全滅……しかしそんな中でも必死に情報を握り、何とか
本部に帰還したのだった

「……で、俺の所に逃げてきたと」

自身に引っ付いて離れないAからそんな報告を受けながら
オリオンは苦笑いをする

「その情報のおかげで増援の部隊が大元を断ち切れた訳だろ？
　そんなに怯える必要ないっての」

「み、ミストさんが……」

そう。Aが怯える存在……ミストは今回のミッションで
その増援部隊の指揮を取っている

つまりミスは既に知れ渡っているという事だ

「お、オリオンさん……私のお墓にはチョコをお供えして下さい」

「縁起でもない事を言うな。アイツからどんな扱いを
　受けてるんだ？」

少なくともAが想像するような展開にはならない事を
オリオンは確信している

「噂をすれば……」

「いぃやぁぁぁ！」

「騒ぐな鬱陶しい。金木犀、何故この人に抱き着いている？」

噂の主、ミストのご帰還だ

「まさかお咎め無しだとでも思ったか？生憎だが俺は
　そんなに甘くはない」

自身の方へ引き寄せようとミストはAに腕を伸ばす

「Aは俺と話をしてるんだ。邪魔すんじゃねぇよ」

その手をはたき落としたのはオリオン。その瞬間、二人の間に
火花が散り始めた

「そうやって甘やかすから金木犀がいつまでたっても
　独り立ち出来ないんです。邪魔しないで貰えますか」

「お前の指導の仕方が悪いんじゃねぇの？」

トップランカー同士の睨み合いは迫力が凄まじい。それでも
Aはオリオンから離れなかった

「金木犀。いい加減に離れろ」

「い、嫌です……」

「金木犀」

「……」

「A！」

「はぁ……ミスト。お前って本当にどうしようもないな。
　A、こんな奴放っておこうぜ」

Aはミストの様子を伺うようにチラチラと見つめる

「……もう怒らないからこっち来い」

「やっぱり怖い！オリオンさん！」

日頃の行いは大事。結局、自分を選んだAには頬が
思わず緩んでしまう

「これに懲りたら少しは優しくしてやる事だな」

そんな一言をオリオンは残し、Aを連れてこの場を後にする

「貴方の時代はいずれ終わらせてやる」

そんな恨み節は二人に届く筈もない

*