ヒューマンバグ大学 短編集５

京極組 ページ6

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《久我》


「そんな理由で夜の世界に来るのは止めろ。嬢をつけ込もうと
　する奴らだっているんだからな」


それで涙した女の子を今まで何人も見てきているのでAさんには
こちら側に来て欲しくなかったようです

「(こうなったらシノギに力を入れねぇとな)」

変な気遣いをさせないように頑張ろうと決意した久我さん。
翌日から兄貴分達に無理をするなと声を掛けられる程、仕事に
力を入れるようになりました



《守若》


「金ならあるじゃん。何で働くんだぁ？」


どうも自分の負担を……という部分がピンとこないみたいですね

「俺の言う事聞けないならずっと閉じ込めちゃうぞー。
　いいのかー？」

「や、辞めます！辞めますから！」

それがただの冗談に聞こえないのが守若さんの恐ろしい部分です



《仙石》


「俺じゃない野郎を喜ばせるなんて酷いじゃねぇか」


仙石さんの怒りはその一点に集中しています

「……まぁ綺麗だったけどな」

しかし美しく着飾ったAさんの姿を思い出してしまい
急に怒りが萎みました。当然ですがAさんのキャバ嬢は
たった一日で終了

暫くの間、買い物に行く時すら何処に行くんだ？と聞かれる
ようになってしまい……Aさんは後悔するのでした



《海瀬》


「ふざけんな！今すぐ辞めろ！」


あまりの剣幕にAさんがポロポロ泣き始めた途端、その勢いは
どこへやら。泣き止ませようと手を伸ばしましたが……

「ひっ……」

すっかり怯えたAさんは部屋の隅へ逃げてしまいました

「あぁもう、分かった！俺が悪かった！だから泣くな！」

不器用というのも少々考えものですね




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