ヒューマンバグ大学短編集５ (ページ20)

今日:106 hit、昨日:346 hit、合計:16,387 hit

同じ気持ち　守若・香坂・我妻　甘々？ページ20

*京極組妹分夢主
*京炎軸(捏造)
*両者の間に死者が出てない設定

「あ……あの」

「静かに。彼に居場所がバレますよ」

Aは美しい顔立ちをした見知らぬ男に抱きしめられながら
物陰に潜んでいる

「隠れてないで出て来いよ」

「随分と彼に執着されているみたいですね」

「……」

Aを追う男はこの付近から中々、離れようとしない

「……仕方ない。僕があの男を引き付けますからその間に
　君はここから離れなさい」

「っ、でも」

「大丈夫。これでも強いんですよ？」

男が懐に手を伸ばす。そこから引き抜いたのは……拳銃だった

自分を匿ったのが裏社会の人間とは思っていなかったAは
驚きのあまり表情が強張る。その様子が面白かったのか、控えめに
男は笑うと再度逃げるように促した

「早く逃げなさい。お嬢さん」

「あの、今度お会いしたらお礼をします……」

非力な自分がこの京炎戦争で出来る事。それは兄貴分達が
戦いに集中出来るようにシノギを頑張る……それしかない

腕の中にある守代を組に届けるべく、Aはその場を急いで
後にするのだった

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「Aー迎えに来たぞぉ」

「守若の兄貴！？」

「ほらー、特等席が空いてるんだ。早く乗れー」

息も切れ切れのAの元に一台のスクーターが停まる。
守若はもう一つのヘルメットを被せると猛スピードで発進させた

「守若の兄貴！早い……っ」

「早くしねぇとアイツが来るかもしれないぞー」

「だからって……」

おそらく制限ギリギリのスピードなのだろう。しかし守若は
そんなAの様子など意に介さず、そのまま走らせる

「……だから一緒に行くって言ったんだ」

「え？」

「なのに俺を置いていくなんて酷いなぁ」

この守代の回収、実は守若が一緒に行くと自ら志願していた

しかしAは迷惑を掛けていられないと半ば押し切る形で回収に
向かった結果、見つかってしまい帰りが大幅に遅れたのだ

そしてモニターを監視していた浪岡が異常事態を察知してそれを
守若に知らせ……今に至る

「これから俺の側から離れる事を禁止する。これは
　決定事項だぞー」

「兄貴！？」

「Aを守れるのは俺だけだー」

この時のAは知らなかった。守若の目から光が消えていた事に

「信号が青に変わりましたよ」

「よぉーし。組まで安全運転でぶっ飛ばすぞー」

「それ安全運転とは言いませんよ！？」

*