ヒューマンバグ大学短編集５ (ページ19)

今日:122 hit、昨日:346 hit、合計:16,403 hit

おにぎりから始まる……？　鶴城　甘々ページ19

*リク作品
*Aさんは毛利班所属
*改心後

「A……そんな強く握ったら米が潰れて固くなるよ」

「そんな細かい事言っていたら何も食べれないって」

「おにぎりは繊細なんだ。もっと優しく……」

「うるさいなぁ」

さて、かつての敵と何をしているのか

「史之舞ってさ料理得意だったんだね」

「得意って言うよりAが下」

「何か言った？」

「……何も言っていないよ」

……CODE-ELの最高傑作と呼ばれる鶴城は戦争終結後、死龍こと
瓜生龍臣に影響を受けておにぎり屋へと転職

そこへたまたまフラッと立ち寄ったAが次の仕事、何にしよう
かなと呟いた所に鶴城が「やってみるかい？」と声をかけたのが
事の始まり

しかし鶴城にとって予想外だったのは自分を極限まで追い詰めた
Aが料理に関しては下手過ぎるという事だった

「(どうしてこんなに苦手なのかな……)」

「史之舞。顔に出てるからね」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

まぐれで成功した一つを除けば後は全滅。その一つを鶴城に
渡してAは失敗作を頬張っている

「史之舞は良い夫になる。料理が得意とか今の時代
　高ポイントだよ」

「そうかな」

「私は……当分、結婚は無理そうだな」

こういった事で褒められる事が今までなかったせいか。その一言に
照れ笑いしていると鶴城は急に真面目な顔になった

「別に女が料理しないといけない訳じゃないだろう？」

「まぁそうだけどやっぱりさ……」

「俺が作るから気にしなくていいよ」

「何で私の結婚と史之舞が料理するってのが繋がるの」

「え」

二人の間に妙な沈黙が流れる

「プロポーズしたつもりなんだけど」

「誰が」

「俺が」

「誰に」

「Aに」

「……いやいや！待って待って！？」

焦るAとは対象的に鶴城は至って真剣だった

「別に料理苦手でも不器用でも俺は構わない。組織にいた時
　散々ゲテモノも食べたから気にならないよ」

「比較対象がゲテモノって失礼……」

「それにこんな俺を受け入れてくれるのはAしかいないんだ」

Aは焦っていた。自分はただおにぎりの作り方を教わって
いただけなのに何故こんな事に……いや、それよりも今は
何とかプロポーズを回避しなければ……

「俺と結婚してくれるよね……？」

ハイかYESしか受け付けませんと言わんばかりの眼差しを
向ける鶴城にAは項垂れるしかなかった

*