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過保護な彼 仙石 甘々 リク ページ15

*外資系ニ年目のカタギ夢主







「今日も随分遅いな」

「あぁ薫さん……」



Aの勤める外資系企業の会長と京極組(正確に言えば現組長の
五十嵐)は古くからの付き合いで二人が出会ったのもそれが縁だった

だからある程度の繁忙期などは把握しているし、こうして
何の連絡もなしに迎えに行く事も出来る。しかしAはあまり
望んでいないようだが……



「わざわざ迎えに来なくて良いんですよ?」

「俺の可愛いAが上司にイジメられてないか心配なんだよ。
 それに……もしかしたら男に狙われてるかもしれないだろ?」

「そんな人が居たら薫さんが知らない訳がないじゃないですか」



ご尤も。そんな事をしようものなら組も黙っていないし、
そもそも会社側だって黙ってなどいない筈

とはいえ二人の関係はまだごく僅かな人間しか知らない。
全くないとも言い切れない故に仙石は不安に駆られ……



「まさかそれが理由で迎えに?」

「真面目だよな。俺はいつだってAを養う準備は
 整ってるのに」

「それじゃあ何の為に大学卒業して必死に内定とったか
 分からないじゃないですか」



一年前のAは何処となく不安げだったが今は自身に満ちている

会社で揉まれる内に強くなったのだろう。しかしそれはそれで
寂しいものだ



「飯食いに行こうぜ。いい店あるんだよ」

「早く家に帰ってゆっくりしたいです」

「………そうか」






その帰り道。つい先程終わったはずの会話が延々と続いていた



「本当に会社続けるのか?」

「何度も言っているでしょう?辞めるつもりはありませんよ」



やはり心配なものは心配。もはや説得にかかっているようにも
見える

だがAの意志はそんなフワッとした理由で変わる筈が無かった



「……いざという時、薫さんに頼ってもらえるようにならないと」



どうやらただ支えてもらうつもりはないようだ。考えても
いなかった本音に仙石は面を食らってしまった



「やっぱいい女だよ。Aは」

「ほら、早く上がって下さい。送ってくれたお礼に夕飯くらい
 作りますから」

「一緒に作ろうぜ」

「分かりました」



それでも仙石はAが家で自分の帰りを待ち……



『おかえりなさい。薫さん』



そう迎えてくれる事を諦めないのだった






*

可愛い子には…… 香坂 怖甘?→←危機感を持たせる方法 和中 甘々 リク



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ゆず(プロフ) - 十六夜月夜さん» おにぎり作りからだいぶ発展させてしまいましたがそう言っていただけて良かったです😭 (2月16日 11時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - ありがとうございました☺️最高です🥰 (2月16日 11時) (レス) id: 6e8fd9291b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - バイさん» すぐ偏ってしまう私の作品になんとお優しい言葉……ありがとうございます😭 (1月27日 18時) (レス) @page16 id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
バイ(プロフ) - どのお話しも最高すぎます… (1月27日 18時) (レス) id: 1753987474 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 奏さん» おまたせしました! (1月24日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2024年1月11日 17時

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