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《犬飼》


「何で今更距離を置くんだ?」


意味が分からない。変わらないと思っていたこの心地よい関係を
何故無かった事にしようとするのか

自分とは住む世界が違うのだと感じたAさんの葛藤に
犬飼さんが気付く筈もなく……

「その、鷹四郎さんの事が嫌いになったんじゃなくて」

「だったら今まで通りいればいいだろ」

今すぐにでも物にしたい。その欲望を必死に抑えようとして
無意識に抱きしめる腕に力が入ってしまうのでした



《仙石》


「好きになったら駄目なのか?」


大事なのは自分達の気持ちだろうと仙石さんは切り出しますが
その問いかけに対して何も言えません

仙石さんを思う気持ちと足手まといになりたくないという気持ち
……どちらも選べないAさんはただ俯くしか出来ませんでした

「いいぜ。A……お前がそのつもりなら俺は手段を問わない」

そう。例え卑怯と言われようが手に入るのなら構わない

反転する視界に映る仙石さんの顔が何処か寂しげに見えるのは
Aさんの気の所為ではないのでしょう



《六車》


「帰らないでくれ」


自分より随分と歳下のAさんに縋るような真似をするなんて
情けないにも程がある

そう分かってはいても掴んだこの腕を離したくなかった

「謙信さん……」

自分を信じて疑わないその視線。それがまるで非難めいている
ように見えた六車さんは一瞬だけ動きを止めるも……

「んっ!?」

「すまない」

Aさんの戸惑いを無視してまで物にしようとする自分の
貪欲さには呆れてしまう

重ねた唇から次に紡がれる言葉が聞きたくなくてそのまま
塞ぎ続けるのでした



《国生》


「愛してる」


頬に、首筋に。まるで慈しむように唇を寄せるその触れ方とは
裏腹にこちらを射抜く瞳はどこまでも昏かった

触れる度に分かりやすく反応するAさんが可愛くて可愛くて
仕方がありません

「ひ、英明さん……」

「Aはどうなんだ。俺の事が嫌いか?」

「好き、です。でも……っ!」

「なら良いだろ」

それでも抗おうとするAさんの耳元で国生さんは囁きます


「さっさと堕ちてくれ。A」




*

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ただの中学生(プロフ) - 分かりました。今回は不快な思いをさせなうよう考えコメントを書かせてもらいます。申し訳ございませんでした。 (3月16日 13時) (レス) id: c437d3044e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ただの中学生さん» 管理人が個人的に不快に思う表現(今回で言えば死ネタ)は内容の有無を問わずお断りするので予めご了承願います😔 (3月15日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ただの中学生さん» こちらの反応集とリクエスト専用の反応集の統合に伴い、しばらくリクエスト募集は出来ません。申し訳ありません😔 (3月15日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ただの中学生(プロフ) - ゆずさん» 申し訳ございません。何度も読み直しやっと理解しました。理解しない上で書いてしまい申し訳ございません (3月15日 18時) (レス) id: c437d3044e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ただの中学生さん» 注意書き(1ページ目)は読んでいただけたでしょうか? (3月15日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年10月24日 20時

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