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拷問ソムリエ ページ7

*



《伊集院》


「A。私の執念深さは知っているね」


それは自分の家業を知られたからこその問いかけです。
常日頃、警戒など怠ってはいないと思っていましたが……

Aさんの前ではただの男でしかなかったと思い知った時
伊集院さんは何を思ったのでしょう

「……浅ましい男だよ。どんな手を使おうと自分だけの
 ものにしたいと思っている」

その指先がAさんの唇に触れました



「だからどうか頷いてくれ……俺がAを壊してしまう前に」





《流川》


「黙っていてごめんなさい」


それは自分が決して綺麗な仕事をしているとは言えない自覚が
あったから

「……とんだ臆病者です。Aさんに嫌われたくなくて」

「流川、君」

「でも、離れたくもなくて……僕は」

そのひたむきな思いに揺れたその一瞬の隙を流川君は見逃さず、
頬を包み込むと……

「好きです。Aさん」

その唇を拒む事なんかAさんに出来る筈もありません



《伍代》


「帰れると思わない方がいい」


その一言を聞いた瞬間、Aさんの心臓は跳ね上がりました。
それは決してときめいたのではなく意味(・・)が分かったからです

「A。無駄な足掻きは俺に通用しないよ」

一つ一つ確実に退路を断つ。そうすれば自分を選ばざるを得ない

「千隼さん。でも、私は……」

「君は何も考えなくて良い。ただ俺の事を思っていればいいんだ」

ただの一度でも心が揺らいだのが最後。ボタンを外され、
空気に触れるその肌に赤い華が残されたのはすぐの事です



《エマ》


「どうして逃げるの?」

「そ、そんなつもりは……」

「嘘は良くないわ。こんなに怯えてるじゃない」


可愛くて可愛くて仕方がなかった。こんなにも怯えてしまう
相手の自宅に来てしまう無防備さも、拒みきれない弱さも

「Aは私の事が嫌い?」

「嫌いじゃないです」

「ならいいでしょ」

心の何処かで止めてくれるのでは、と期待をしていますが……

「私の事を求めてくれるまで帰さないわよ」

エマさんのほんのり甘い香りが漂ったその時。二人の体が
ベッドに沈みました




*

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ただの中学生(プロフ) - 分かりました。今回は不快な思いをさせなうよう考えコメントを書かせてもらいます。申し訳ございませんでした。 (3月16日 13時) (レス) id: c437d3044e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ただの中学生さん» 管理人が個人的に不快に思う表現(今回で言えば死ネタ)は内容の有無を問わずお断りするので予めご了承願います😔 (3月15日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ただの中学生さん» こちらの反応集とリクエスト専用の反応集の統合に伴い、しばらくリクエスト募集は出来ません。申し訳ありません😔 (3月15日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ただの中学生(プロフ) - ゆずさん» 申し訳ございません。何度も読み直しやっと理解しました。理解しない上で書いてしまい申し訳ございません (3月15日 18時) (レス) id: c437d3044e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ただの中学生さん» 注意書き(1ページ目)は読んでいただけたでしょうか? (3月15日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年10月24日 20時

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