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ページ13

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《戸狩》


「行かんといて」


手離したくない。その思いだけが戸狩さんを動かしていました

「Aと離れるなんて嫌や」

普段の男らしい姿と全く違うその様子にAさんが気持ちが
揺らぎ、立ち止まったのが最後

振り返ればその距離はゼロ。唇に触れる熱に鼓動は激しく
鳴り始め……

「堪忍してな」

その返事を待つ事無く、唇は再び重なるのでした



《陣内》


「俺は出来た男ちゃうからな」

「ど、どういう意味……ですか?」

「この期に及んでまだそんな呑気な事言えんのか。
 ほんまにおめでたい女や」


意図の掴めない言い回しにAさんも堪らず言い返します

「何でそんな酷い事言うんですか」

「どうでもええの連れ込む程、俺はもの好きやないって事や。
 まぁ理解出来んやろうから……」

冷徹な眼差しはそのままに陣内さんは耳元でそっと囁きます

「直接教えたる。覚悟せえ」




《大嶽》


「今更離れられる思っとるんか」


自分の好意を知りながら逃げる。そんな真似を大嶽さんが
許すはずもありません

「随分甘く見られたもんやなぁ。俺も」

「そんなつもりじゃ」

「言い訳なんか聞きたない」

少し開けたシャツから覗くムカデに睨まれたような気が
したのはきっと気の所為ではない筈

「どこまで足掻けるか見してもらおうか」


反転する視界に映る赤い瞳。重なる二人の影は月明かりが
一層、輝く深夜になっても離れる事はなかった



《三國》


「どうして離れるんや。こんなに愛しとるのに」


甘えるような声で縋って、捕まえて。三國さんはどこまでも
貪欲でした

「A。教えてくれるか?」

「三國さん……」

頬を撫でる手つきは優しいはずなのに、怖かった

「ゆっくりでええ。どうせ今夜は手放すつもりはないし……」

そんな囁きと共に耳へ微かな痛みが走ります


「素直になるまで付き合ったるで。優しいやろ?俺」


怒らせてはいけない人を怒らせたAさんはもう二度と
三國さんから離れられません




*

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ただの中学生(プロフ) - 分かりました。今回は不快な思いをさせなうよう考えコメントを書かせてもらいます。申し訳ございませんでした。 (3月16日 13時) (レス) id: c437d3044e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ただの中学生さん» 管理人が個人的に不快に思う表現(今回で言えば死ネタ)は内容の有無を問わずお断りするので予めご了承願います😔 (3月15日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ただの中学生さん» こちらの反応集とリクエスト専用の反応集の統合に伴い、しばらくリクエスト募集は出来ません。申し訳ありません😔 (3月15日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ただの中学生(プロフ) - ゆずさん» 申し訳ございません。何度も読み直しやっと理解しました。理解しない上で書いてしまい申し訳ございません (3月15日 18時) (レス) id: c437d3044e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ただの中学生さん» 注意書き(1ページ目)は読んでいただけたでしょうか? (3月15日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年10月24日 20時

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